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日刊建設工業新聞
2018/07/26

【鳥取】橋梁点検にロボット活用/江島大橋で実証試験中

 最新のロボット技術を活用した橋梁点検の実証試験が鳥取、島根の両県を結ぶ江島大橋(全長1466b)をフィールドに進められている。構造上、人が近づくことが困難な橋梁の点検にロボット技術の実用化を目指す取り組み。このほど視察会が現地であった。
 内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の中で研究を進める鳥取大学工学部付属地域安全工学センターが主催。県や市町村、県測量設計業協会の関係者ら100人が参加した。
 04年架設の江島大橋は、水面から高さ22bのハイピアで箱桁部も15bと分厚い。従来の点検車両を使用した場合、広範囲にわたって交通渋滞を引き起こすほか、近接で目視するには大掛かりな足場を組む必要があり費用も高額になっていた。
 実証試験の対象範囲は境港側のP1橋脚と箱桁部の延長330b。今月18日の公開試験では、富士通が開発した「二輪型マルチコプタ」が披露された。
 給電ケーブルによる遠隔操作でプロペラを駆動。構造物に接触させながら一定距離で移動撮影できる。画像は橋梁の3次元モデルと合わせたデータ管理も可能になった。
 試験は来月10日まで行われ、このほか三井住友建設など3種類のロボット技術を組み合わせて変状調査や打音検査などを引き続き実施する。
 老朽化したインフラは増大し、各地方自治体は効率的で高度な維持管理が迫られている。今回の江島大橋では各メーカーがアサヒコンサルタントなど地元コンサルタントとペアを組んで試験しており、近い将来は地元コンサルに実装し、点検計画から報告書の作成までができる技術者の育成につなげる。

日刊建設工業新聞