任期満了に伴う朝日町長選で、無投票再選を果たした笹原靖直氏。少子高齢化といった喫緊の課題が山積する中、「夢と希望が持てるまち」を掲げ、町政に取り組む笹原町長に2期目への抱負を聞いた。
―1期目を振り返って
「中学生までの医療費無料化や企業誘致、あさひ病院の環境整備など、公約に掲げていたものはすべて実現した。医療費の無料化は、すでに高校生までに拡大させた。スピード感を持って全力で取り組んできたことが、閉塞感があった町民の支持につながり、今回の無投票再選になったと思っている」
―町の課題は
「少子高齢化や人口減少対策は、様々な事業を連携させなくてはいけない。あさひ総合病院では院内保育や病児・病後児童保育を整備し、働きやすい環境にした。看護師不足に対しては、奨学金制度の見直しなどで確保し、医師も含め医療人材を増員させた。町の合計特殊出生率は上昇しており、子育て支援策が奏功しつつある。今後も切れ目のない支援策を打ち出し『子育て応援日本一のまち』を目指したい」
―力を入れたい政策は
「まずは企業誘致。アムノスの再生医療向け乾燥羊膜製造工場を誘致でき、昨年7月から稼働している。さらに滑川の企業(D―Factory)と用地の売買契約を交わし、来春の着工までに町で造成工事を進めていく。企業誘致は税収や雇用につながるほか、町内建設業者にとっても造成工事があるし、建物本体工事に携われば、町内経済の活性化にもなる。新たな企業団地も構想しており、今後も企業誘致に力を入れていきたい」
―泊高校の閉校が決まったが
「県立高校再編により、2022年度末に泊高校が閉校することになった。この突きつけられた現実を、しっかりと受け止めなければならない。町の活性化につながるような跡地活用策を考えたい」
―新たな施策については
「町には、ヒスイの原石が打ち上げられるヒスイ海岸があり、境川ではアンモナイトなどの化石が多数発見され、地層学的にも興味深い。竪穴式住居が発見された不動堂遺跡もある。今ある地域資源を輝かせ、生かしていくための仕掛けづくりにも取り組みたい」
―抱負を
「施策を進めるにあたって『町の見える化』を進めていきたい。どのような方針で、どのような結果を考えているのか、財政面も含めて町民に示し、理解してもらえるようにしたい。町政の主役は町民。町民からも知恵やアイデアをいただきながら、私自身も汗をかき、まちづくりに邁進していきたい」
ささはら・やすなお 1954(昭和29)年生まれ、63歳。建材卸会社勤務を経て、2010年の町議選で初当選。14年の町長選に出馬し初当選した。好きな言葉は「一期一会」