梅雨前線の停滞に伴った「7月豪雨」で、県内の公共土木施設被害は八頭県土整備事務所管内を中心に広がり県下全体で422カ所、被害額は85億円に上った。県土整備部が発災後10日経った今月18日現在の被害状況をまとめた。同部によると、これほどの被害は「平成23年災」の台風12号(500カ所、81億円)以来7年ぶり。
県施設は八頭管内251カ所に59億円をはじめ、鳥取管内80カ所に13億円など計350カ所の被害額は78億円。一方、市町施設は鳥取市、八頭町、智頭町、日南町など10市町で計72カ所を確認し、被害額は7億円を上回った。
国道373号は智頭町智頭の桜土手上手の路肩が延長126bにわたって崩れて1億円、同町福原の旧小学校前も道路が崩落して6100万円の被害が出た。
県道小河内加茂線の鳥取市佐治町津野では、幅50b、高さ60bにわたって大規模な地滑り状態となって1億円を見積もった。
河川は八東川の八頭町用呂で、用呂橋下手の右岸200bが滑落して1億円。土師川の智頭町木原では護岸100bが崩落して6600万円の被害が発生。この影響で近くにある町の農集排施設「南因浄化センター」も被災した。
また、鳥取市用瀬町赤波の赤波川は延長800bにわたって護岸が崩れ、1億5000万円の被害を確認した。
同部は今後、県測量設計業協会と協力して現地調査に着手。8月上旬までに詳しいカ所数や被害額をまとめ本省に報告する。
災害査定は9月上旬を想定しており、査定に向けた目論見書は8月24日ごろまでに作成する。
被災カ所は多い上に広範囲にわたっており、査定にあたって同部は机上査定(通常300万円)の上限額を引き上げる「査定の簡素化」も本省に要望している。
各県土の被害状況は次の通り。県施設350カ所に78億5500万円
▽鳥取県土80カ所13億円=道路20カ所3億4700万円、河川51カ所9億1300万円、砂防9カ所7700万円▽八頭県土251カ所59億円=道路21カ所7億7700万円、河川158カ所44億9500万円、砂防72カ所6億4700万円▽中部県土3カ所5200万円=道路2カ所4500万円、河川1カ所700万円▽日野県土14カ所2億3200万円=道路10カ所1億5500万円▽河川4カ所7700万円▽鳥取港湾事務所=港湾2カ所3億1500万円
日刊建設工業新聞