名古屋市上下水道局は、大治浄水場の配水塔について再整備を含めた機能強化に向けた基本構想策定をNJS名古屋総合事務所(名古屋市中区)に委託した。配水塔の再整備による効果などを検証し、停電時にも必要な配水圧を維持するための施設整備に向けた基本構想を策定する。事業化の時期は現時点では未定。
同浄水場の配水塔は、整備当時の建設技術の限界から必要高さが足りていない。同浄水場では、非常用発電設備の72時間化対応を2018年度内に完了させる計画だが、南海トラフ巨大地震など広域的・長期的な災害が起こった場合に、名古屋駅周辺地区に給水する同浄水場の停電対策を強化するため、既設配水塔の改良または新たな配水塔の整備検討を行う。
既設の配水塔は、プレストレストコンクリート構造の円筒形で内径20b、地上高約36b。総容量は9300立方bで、有効容量は4700立方b。有効水深15b。1981年に建設した。軟弱地盤上に施設があり、当時の建設技術で建設可能な高さで建設している。
新設の配水塔は内径20b、地上高45b程度、有効容量3600立方bで、有効水深11bが必要と見ている。
既設配水塔を高くする場合に必要な補強方法を検討する他、配水塔を新設する場合の整備内容、配置計画などをまとめ、両者を比較検討する。その上で、構造や基礎など基本設計レベルの概要、施工方法、概算工事費を基本構想に盛り込む考え。
新設する場合の配水塔は、既設配水塔の西側にある第2沈殿池のエリア内に配置を想定している。現第2沈殿池を撤去し、新配水塔を配置、隣接部に新沈殿池を整備する。現第2沈殿池は1959年の建設で、4池で構成する。鉄筋コンクリート構造で、大きさは縦123b、横104b、深さ3・5b。面積は1万2830平方b。
浄水場の所在地は愛知県大治町堀之内上六反地983。
提供:建通新聞社