建設新聞社
2018/07/13
【東北・岩手】約600人が集結 フォーラム がんばろう!東北
東北の社会資本整備促進に向けたフォーラム「がんばろう!東北」が12日、盛岡市のホテルメトロポリタン盛岡ニューウイングで開かれた。建設・経済界や行政に加え、市民ら約600人が集結し、基調講演や意見発表などを通して社会資本整備が防災・減災や地域活性化に果たす役割の大きさと重要性を共有。復旧・復興事業への十分かつ確実な予算措置や、生産性を向上させるための支援などを求める決議も採択した。
このフォーラムは、東北経済連合会、東北建設業協会連合会、東北六県商工会議所連合会、東北・北海道中小企業団体中央会連絡協議会、東北六県・北海道商工会連合会連絡協議会の5団体で構成する「東北の社会資本整備を考える会」が主催。東北地域づくり協会が後援した。
主催者を代表して東経連の海輪誠会長は「西日本豪雨では甚大な被害が発生している。自然災害は毎年のように起こっており、どこでも発生する可能性がある。あらためて防災・減災、国土強靭化の重要性をしっかりと訴求していかなければならない。また、東日本大震災から7年が過ぎたが、復興はまだ道半ば。全面的な復興・創生には十分かつ継続的な財源確保が欠かせない」などと訴えた。
来賓の津田修一東北地方整備局長は「大震災から8年目となり、復興は総仕上げの段階に入っている。ただし、日本は自然災害に脆弱(ぜいじゃく)な国土であり、頻発する災害に対応するためハード・ソフトを総動員しながら対策を進めていかなければならない。今後も東北の復興、安全・安心、持続的な発展のため、一緒に取り組んでいこう」と呼び掛けた。
基調講演では、気象予報士の井田寛子さんが「多発する気象災害と気象情報の活用」をテーマに西日本豪雨や九州北部豪雨、関東・東北豪雨といった気象災害の発生メカニズムを解説。その上でダムなどのハードと避難行動計画などのソフトの両面から災害に備える必要性を指摘した。また、宮城県・気仙沼大島で旅館・明海荘を営む女将の村上かよさんが「大島の3・11と今の気仙沼」、奥会津に根差した出版や文化活動に取り組む奥会津書房(福島県)の主宰・遠藤由美子さんが「過疎地域における人口減少に対応できるインフラ整備の重要性」と題して、それぞれ意見発表した。
最後に、岩手県中小企業団体中央会の小山田周右会長が▽復興・創生期間においても、復旧・復興事業について十分かつ確実な予算措置を講じる▽社会資本整備の役割について理解促進を図る▽防災・減災対策、国土強靭化対策の財源などについて早急な対応・対策を講じる▽社会資本の戦略的な維持・管理・更新などを推進する▽東北圏内における地域間格差を是正し、高規格幹線道路など必要な社会資本の整備や日本海・太平洋二面活用の強化など、ストック効果が最大限発揮される取り組みを推進する▽働き方改革の推進など生産性を向上させるための支援策を講じる―ことなどを掲げた決議を読み上げ、参加者全員で採択した。
提供:建設新聞社