公募型プロポで8月上旬公告 道路の監視業務と維持補修業務を地域維持型JVに発注 県は、県内で初めて試行予定の上五島地域での包括的民間委託を、地域維持型建設共同企業体(地域維持型JV)による公募型プロポーザル方式で発注する考え。8月上旬にも公告し、9月に契約。研修を経て10月から1年間にわたり業務を委託する計画だ。
包括的民間委託は、さまざまな公共インフラの維持管理業務を包括的に民間事業者に委託する取り組み。建設業の担い手が減る一方、維持管理すべき公共インフラが増える中、業務の効率化と担い手不足の改善に対応する方策の一つ。
県では、さまざまな調査・検討の結果、五島振興局上五島支所管内の道路維持管理業務での試行を決定。本年度は、これまで直営で行っていた道路監視業務(パトロール)≠ニ、個別に民間に発注してきた道路維持補修業務≠一括して委託する。
このうち監視業務は、上五島支所が管理する11路線・延長130`bの道路が対象。道路パトロール車両(受注者が準備・改造)で道路の陥没や段差、障害物などを調査・点検するとともに、除草の必要性も確認。併せて、排水施設や橋梁・歩道橋・擁壁・トンネルなどの構造物や、防護柵・照明灯・標識などの交通安全施設の状況なども点検する。パトロールは、運転手とパトロール員の2名体制で、パトロール員には、1級または2級建設機械施工技士、1級または2級土木施工管理技士、技術士などの国家資格が必要。
維持補修業務では、道路の小規模工事のほか、伐採などの景観維持業務も担う。管理と維持補修を合わせた包括委託の契約金額は5000万円程度を想定している。
地域維持型 旧5町5〜10事業者で構成 これらの業務は、県初となる地域維持型JVに委託。同JVは、地域の維持管理に不可欠な業務の試行に当たり、地域に精通した建設企業が継続的な協業関係を確保することで、その実施体制を安定確保するために結成するもの。今回の試行では、迅速・確実に現場に到達できるよう、新上五島町合併前の旧5町に本店・営業所がある企業が構成員にすべて含まれることを求める。このため構成員数は5〜10社程度を想定している。
技術者は、全体を総括する国家資格を有した管理責任者≠非専任で1名以上配置。監視業務では運転手と、国家資格を有した道路パトロール員(交代可)、補修・景観維持の業務では業務責任者≠各1名以上(管理責任者と兼務可)配置しなければならない。
委託事業者を決める公募型プロポーザルでは、8月下旬の入札参加登録申請書に続き、地域維持型JV協定書や参加意向申出書、技術提案書を提出。技術提案の中で▽配置予定の管理責任者や、パトロール員の資格・技術力▽工事実施方針▽組織体系に対する提案・業務実施上の工夫―などを評価し、9月上旬に事業者を特定・契約する予定だ。
これらの内容は4日に上五島建設会館で行われた説明会で県が報告。当日は上五島管内の事業者15者が参加した。