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建通新聞社(東京)
2018/07/13

【東京】都 昭和50年代住棟も建替検討へ

 東京都都市整備局は、昭和50年代に建設した住棟が混在している団地や、中層住棟と高層住棟が混在する団地を対象に、建て替えの検討を進める方針を固めた。これまで建て替えの対象となっていなかった昭和50年代建設の住棟などが、老朽化した団地全体の建て替えの支障となっているケースがあるため、昭和40年代の住棟と一体的に建て替えることで事業を効率的に進める考えだ。7月12日の都政改革本部会議で明らかにした。
 都では現在、昭和40年代(1965〜74年度)以前に建設した住宅を対象に、年間約3800戸の建て替えを進めている。こうした中で、建て替えの対象となっていない昭和50年代(75〜84年度)に建設した住棟や高層住棟が混在している団地では、それらが効率的な建て替えの支障となっているケースが出ている。
 そこで、昭和50年代建設住棟(80年までの旧耐震基準の住棟)が混在している団地と、中層住棟と高層住棟が混在する団地を、新たに建て替えの検討対象に加える。
 昭和50年代に建設した住棟が混在している団地では、「一括して計画することで建て替えを円滑に行うことができる場合」「昭和50年代住棟の建て替え後の戸数増により、昭和40年代高層住棟の建て替えの移転先としての活用や、小規模団地の集約先になるなどの効果が見込める場合」などを検討の対象とする。
 中層住棟と高層住棟が混在する団地では、元戸数を確保する前提で一括した建て替え計画を検討する。元戸数を確保できない高層住棟を含む団地については、周辺の団地の建て替えで生じる余剰値を活用し移転先を確保することで建て替えを計画する。
 また、区への「移管」を原則としている100戸未満の小規模団地についても、一定の条件を満たせば集約化して建て替えられるようにする。
 小規模団地はこれまで、都区制度改革実施大綱などに基づき区への移管手続きを進めている。近隣に100戸以上建設可能な建て替えの計画がある場合は集約し、小規模団地を撤去する検討も進めてきた。
 ただ、全ての団地の移管には時間を要し、その間に建物の老朽化がさらに進行するため、これまでの取り組みが難しく、「周辺の小規模団地を集約し、建て替え計画戸数が、当該団地と集約団地の従前居住者世帯数程度となる場合」には、計画戸数が100戸未満でも建て替えを検討する。その際、撤去する団地の敷地は創出用地として活用することを視野に入れる。

提供:建通新聞社