京都市は10日、京町家保全・継承推進計画(仮称)の素案をまとめ明らかにした。
第5回京町家保全・継承審議会(会長・田光雄京都美術工芸大学工芸学部教授)に示した素案は、第1章から第5章の計5章で構成する。第1章で計画策定の目的と位置付け、第2章で京町家を取り巻く現状と課題、第3章で計画の基本的な方針と計画期間及び目標、第4章で具体的な今後の方向性及び主な取組、第5章で計画の推進体制などを示した。
今後の方向性及び主な取組をみると、▽(市が主体)京町家に関する様々な情報を提供する総合情報サイトの構築や情報冊子の作成等▽(市、京都市景観・まちづくりセンター、不動産・建築関連業者、市民活動団体が主体)京町家専門相談員制度の改善・拡充、事業者団体と連携した相談体制の充実▽(市が主体)京町家改修助成制度・京町家維持修繕助成制度の創設、耐震改修工事に係る助成制度の充実、歴史的風致形成建造物の指定拡大に必要な調査件数等の充実等▽(市、京都市景観・まちづくりセンターが主体)京町家の改修等における資金調達の円滑化▽(市が主体)京町家所有者が利用しやすい情報利用環境の整備▽(市が主体)歴史的建築物の保存及び活用に関する条例に基づく建築基準法の適用除外▽(市、建築関連業者等が主体)京町家改修マニュアル等による改修事例の普及▽(市、京都市景観・まちづくりセンター、不動産・建築関連業者、市民活動団体が主体)京町家マッチング制度の整備・運用▽(市、管理者等が主体)市の介在する京町家の賃貸モデル事業▽(市、京都市景観・まちづくりセンター、不動産・建築関連業者、市民活動団体が主体)相続に関する相談体制の充実▽(市、京都市景観・まちづくりセンター、事業者等が主体)専門家育成に関する講座の開催▽(市が主体)建具等の再利用に関する事業者等に対する情報の充実についての検討▽(市、市民活動団体が主体)京町家の保全・継承に向けたまちづくり活動の支援▽(市が主体)新築京町家の基準の検討など。
計画期間は10年間。