国交省中国地方整備局は、2018年度から鳥取自動車道など県内暫定2車線の高速道路にワイヤロープを設置する。予算執行を保留していた「交通安全事業U種」の一部3億9500万円を解除。18年度の事業計画に組み入れて、今月5日付で鳥取県に通知した。
片側1車線の高速道路で重大事故につながる対向車線への飛び出しを防止するため、同省は17年度から上下線を区分する従来のラバーポールに代えてワイヤロープの事故防止効果を検証。
先月15日、「高速道路の正面衝突事故防止対策に関する技術検討委員会」の検証状況を踏まえ、土工区間にワイヤロープを本格的に設置する方針を決めた。
今後、暫定2車線で開通する鳥取西道路などの土工区間には標準設置。供用済み区間は、4車線化や付加追い越し車線の事業カ所を除いておおむね5年の設置を目指す。高速道路会社が管理する区間はおおむね3年の設置がめど。さらに、高規格幹線道路以外の自動車専用道路でもワイヤロープの設置を検討する。
また、設置が難しい土工区間以外の長大橋やトンネル区間は、技術的な性能検証を引き続き進める。
18年度、設置に取り掛かる県内区間は▽鳥取自動車道▽山陰道▽国道373号志戸坂峠道路―のいずれも土工区間。測量設計費700万円、工事費3億8800万円を充てる。
ワイヤロープは4b間隔に長さ約2b(高さ約1b)の支柱を打ち込み、太さ18_のロープを5本張る。車両衝突時の衝撃をロープの引張で緩和し、重大事故の防止に効果が発揮できる。狭い幅員で設置可能で、人力で開口部も設けられる。
日刊建設工業新聞