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日本工業経済新聞社(茨城)
2018/07/10

【茨城】水戸市が竹中工務店を選定/新市民会館建設施工予定者優先交渉権者

 水戸市は10日、泉町1丁目北地区市街地再開発組合(宇野光一理事長)が行う新市民会館等施設建築物新築工事について、施工予定者を選ぶ定する公募型プロポーザルの優先交渉権者として樺|中工務店東関東支店(千葉県千葉市)を選定したことを市議会に報告した。プロポ参加者は同者のみ。プロポでは施工者の立場から技術提案や技術協力を実施設計に取り入れることで工程管理やコスト低減ができる「優先交渉権者技術協力方式」(ECI方式)を採用しており、組合と竹中工務店は近く、新市民会館の実施設計技術協力業務の委託契約を締結する。

 実施設計後に同社は、地元企業の育成や担い手確保などを目的に4〜5者による「地元企業活用型特定JV」を結成し、工事契約を2019年3月下旬に締結する予定。工事は19年度の既存解体着手と新施設建築着手、22年度のオープンを見込んでいる。
 再開発事業で建設する新たな市民会館は、伊東豊雄建築設計事務所・横須賀満夫建築設計事務所共同企業体が担当した基本設計によると、RC造一部S造木造、地上4階地下1階建て、建築面積約6951・4u、延床面積約2万2973・5u。総事業費は約285億円で、そのうち工事費は約153億円。
 再開発事業は、泉町1丁目北地区(泉町1丁目、泉町2丁目、約1・4ha)を対象に、市街地再開発組合(泉町2町目3―2)が主体となって行う。再開発事業は18年5月24日に県知事から認可された。事業認可告示によると、事業施行期間は18年度から22年度まで。新市民会館を核として商業・業務施設、駐車場などを整備する。今後は権利変換計画をまとめ18年度内の認可を目指す。
 一方、再開発組合では優先交渉権者技術協力方式(ECI方式)を活用する新市民会館等施設建築物新築工事の施工予定者選定の公募型プロポーザルの手続きを18年3月に開始。単体企業で市内に本店や支店などがあり建築一式の総合数値1700点以上などの条件を満たす企業を募集した。プロプには竹中工務店のみが参加。技術提案などを評価委員会が審査した結果、同者を選定した。
 今後は、新市民会館の実施設計技術協力業務の委託契約を締結。同者は4〜5者による「地元企業活用型特定JV」を結成する。
 さらに同組合では権利変換計画の作成を進め、18年度の認可取得を目指す。
    ◇
 10日の市議会では、工事に地元企業を活用することについて意見が出た。
 市では答弁で、選定した優先交渉権者が実施設計業務の完了後までに自らの責任で「地元企業活用型特定JV」(4〜5者)を結成することを求めていることを説明。少なくとも2者は市内本店業者に限定する条件であると理解を求めた。優先交渉権者に求める技術提案でも水戸市内の建設業者の活用方法も提示していると説明した。