鹿児島市はこのほど、公営住宅等長寿命化計画を改訂。40年後までに建て替えを迎える住宅の延床面積の約2割を削減する方針をまとめた。今後2055年度にかけて、全市域で70戸(4628u)を廃止、1142戸(7万1077u)を縮小する考えだ。
改訂は、人口減少や少子高齢化の進展で財源が厳しくなる現状などを踏まえ実施。生活の利便性や人口推移、建物の耐用年数などの評価項目をもとに、用途廃止を行う住宅を絞った。
今後の整備における基本的方向性は、更新時期を迎えたストックが増加していることから建て替えを優先。新規建設は行わないこととし、既存ストック活用への転換やハードとソフトによる供給策を検討する。市の住宅建設事業は、これから予定する平川地区の既存集落活性化と吉田地区の地域活性化までで終了。子育て支援住宅整備も、星ケ峯みなみ台に計画している全27戸が完成した時点で終了する。
このほか、建て替え等で余剰地の発生が見込まれる住宅については、売却や他施設への転用などを検討。また、事業規模の大きな団地については、PFI導入の可能性の検討を行う。
今回定めた基本的方向性は、社会状況の変化に合わせておおむね10年を目安に見直す予定。実施に当たっては、耐用期限を目安に準備期間を設け、事前に説明を行うなど入居者に配慮する。