国と県、奄美市などは、役割分担しながら名瀬港整備を計画している。旅客上屋改築は県が担当。築40年以上が経過して老朽化が進み、本港地区では直轄による改良事業で岸壁が沖出しされることから、ボーディングブリッジ(搭乗橋)の設置も検討。7月にも基本・実施設計を委託し、19年度以降に工事発注する。
直轄は、本港地区で岸壁改良(水深7.5m)を県が整備した耐震強化岸壁と法線を合わせるため、最大で約30m(最小約15m、平均約20m)の岸壁沖出しを予防保全と兼ね合わせながら耐震強化岸壁等を行っている。
18年度は、工事費7億9034万円、測量設計費2356万円などの計8億4150万円が配分された。
奄美市開発公社では、公有水面埋立を実施。公共・公益施設用地は、名瀬港港湾合同庁舎(国)と消防防災センター(大島地区消防組合)の用地として活用。また、観光関連の需要が大幅に増加することが見込まれるため、ホテル等の用地に約2万uを確保する。19年度から公募を行い、選考委員会を設置して譲渡企業を選定したあと、売却する。
旅客待合所の現施設は、RC造で1階(1785u)が貨物、2階(1838u)は待合所。荷役作業の妨げにならないよう、乗客は2階から搭乗橋により乗船。岸壁は、奄美航路の民間会社と十島村営船が利用している。
建設地は、同じ本港地区を予定。今後、荷役会社や船会社等と協議して施設内容や場所を固めていきたい考え。建物規模は現段階で、RC造2階建約1400uを想定している。