新総合体育館の建設地について、三反園訓県知事は「県工業試験場跡地が最適」と方針を示した。また、「施設規模等を考慮すると隣地も含めることが望ましく、可能性を検討するため、隣地所有者の日本郵便(JP)と土地譲渡を協議したい」と意気込みを述べた。県議会で西悟議員(自民党、志布志市・曽於郡区)の代表質問で明らかにした。
判断理由を、三反園知事は「施設の収益性や整備効果を最大限に発揮することなどを勘案すれば、利便性の高い場所が望ましい。交通の中心でもある鹿児島中央駅に隣接する県工業試験場跡地を最適地と考えている」と説明を行った。
また、経済産業省は魅力あるスタジアム・アリーナを核としたまちづくりに向け、地方都市での体育館からアリーナへの改革を進める計画を策定。その中で、県工業試験場跡地について、敷地の狭さなどにより建設コストは高くなるが、多目的利用等による収入増や立地の利点から、南九州のエンターテイメント拠点として発展が見込まれると分析している。
県が18年度に策定する基本構想は、業務委託に向けた準備等を進めている。主な内容は、施設の規模や配置シミュレーション、建設費や施設の収益性等の調査・分析を行うほか、整備スケジュールも検討。敷地面積は、県工業試験場跡地が約1万uで市道を挟んだ日本郵便用地(約5700u)を加えると計約1万5700uとなる。
同跡地周辺では、JR九州が鹿児島支社等のある敷地約8500uを利用して、9階建ての商業・オフィスビル、18階建ての分譲マンションをメーンとした複合施設を計画している。
しかし、再開発は市道拡幅が前提となり、JR等は土地の立ち入りに了解したが、県は応じていない状況が続いている。県が跡地利用の方針を決定したことから、進展に期待が寄せられる。
■鹿市南部特別支援学校
来月にも委員会設置
鹿児島市南部地区における特別支援学校について三反園知事は、「敷地の広さや交通の利便性、近隣に小、中、高校があり交流学習等を積極的に行えることを考えると、県農業試験場跡地がもっともふさわしいと考えている。今後、検討委員会で議論していただき、基本構想の中で示したい」と答弁した。
策定に向けては、外部有識者からの意見を聴取する委員会を設置するための経費を盛り込んだ6月補正予算案を上程、成立後速やかに7月ごろ委員会を設置する。