建設新聞社
2018/07/06
【東北・福島】世界最大規模の水素製造拠点「福島水素プロジェクト」が着工へ
福島県浪江町で計画が進む世界最大規模の水素製造拠点「福島水素プロジェクト」の建設工事が始まる。東芝グループのエネルギー関連事業を担う東芝エネルギーシステムズ(川崎市幸区堀川町72の34 畠澤守代表取締役社長)が水素製造施設などを建設するため、鹿島の設計・施工を決め近く着工する予定だ。
この計画は、2017年3月31日に帰宅困難区域を除く避難指示が解除された浪江町で、再生可能エネルギーを活用した水素エネルギーシステム構築を目指し、その実証実験を行うための施設群を整備するもの。
国立研究開発法人・新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から「再エネ利用水素システムの事業モデル構築と大規模実証に係る技術開発」を受託した東芝、東北電力、岩谷産業の3社がシステムを開発し、20年度からの実証試験開始を目指している。
実証エリアとなる浪江町棚塩地内の「棚塩産業団地」は、かつて東北電力が浪江・小高原子力発電所の建設を予定していたが福島第一原発事故後に計画を取りやめた場所にあり、現在、UR都市機構の発注で横山建設・鹿島復興JVが敷地造成を進めている。
計画によると、再生可能エネルギー(太陽光発電)で得た電力を活用し、水を電気分解し水素を製造するため、1万`h級の水素製造装置を備えた水素製造棟をはじめ、水素貯蔵・供給設備、管理棟、太陽光発電設備などを整備する。
今回、東芝エネルギーシステムズの発注により、鹿島が着工する施設は、いずれもS造で、2階建ての水素製造棟、平屋建ての管理棟、同じく平屋建てのカードル庫で、合計の延べ面積は1036・72平方bとなる。完成は19年8月中旬の予定で、東京五輪が開催される20年度中の供用開始を目指す。
提供:建設新聞社