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北海道建設新聞社
2018/07/05

【北海道】全体事業費は38.7億円 東神楽町の複合施設整備

 東神楽町は、総合福祉会館や国民健康保険診療所など町内に点在する公共施設を集約し、役場庁舎敷地内に建設する複合施設の全体事業費として約38億7000万円を試算している。2018年度は整備基本計画案を8―9月に成案化した後、基本設計に取り掛かりたい考え。基本設計業者の選定手法についてはプロポーザル方式を視野に入れている。
 中央市街地に点在し、老朽化や耐震基準を満たしていないなど安全面に課題のある公共施設を、人口減少社会とコンパクトなまちづくりに対応するため、各施設ごとに整備せず1カ所に集約するもので、多機能で利便性の高い施設を目指す。。
 対象となるのは総合福祉会館(トレーニングセンター除く)、国民健康保険診療所、役場庁舎(延べ1050m²、1991年以降に建設した部分を除く)、実測センター、旧消防庁舎、交通指導会館、青年会館、公用車車庫、総合車輌センターの9施設。合計の延べ床面積は6672m²となっている。
 複合施設は、会議室、調理実習室、多目的交流スペースの併用や既存役場庁舎の活用などできるだけコンパクト化を図るが、これまで250―260席程度だった文化ホールを500席程度で計画するなど機能を向上させる部分もあるため、最終的な延べ床面積は6664m²と算出した。
 構造はRC造を基本とし、階数は91年に建設した役場庁舎が3階建てであることから3階建てを上限に設定。
 文化ホールは可動式の固定席300席と椅子席200席の合計500席程度と現在の約2倍の規模を見込む。町民が交流できるカフェやサロンは簡易なちゅう房設備を備え、席数は30席程度用意する考えだ。
 また、高齢者が運動できる多目的交流室や診療所が担ってきた診療機能、役場内の行政窓口、執務スペースに加え、災害対策室や防災備蓄倉庫、100人程度の避難スペース確保といった防災機能も持たせる。
 建設地は既存庁舎との一体的な活用を図るため、南1条西1丁目の現庁舎敷地内(約2万6000m²)とする方針。事業費確保に向けては、社会資本整備総合交付金と20年度が期限となる公共施設等適正管理推進事業債・市町村役場機能緊急保全事業の活用を想定し、全体事業費は38億6877万円とした。
 このほか、自然エネルギーの活用や省エネルギーといったCO削減、地場産材の利用や特殊工法を用いないなど地元企業が複合施設整備に活躍できる仕組みも設計段階で検討していく。
 今後は、8―9月に基本計画案を成案化した後、基本設計に取り掛かる方針。19年度に実施設計を進め、20年度に着工するというスケジュールを描いているが、工期短縮やコスト削減の観点から実施設計と施工の一括発注も念頭に置いている。
 町は基本計画の成案化に向け、今月末までパブリックコメントを募集。5、6日には住民向け説明会も開催する。