県建設工事等入札契約審議会(会長・谷口朋代鳥取大学大学院工学研究科教授)は3日、2017年度第2―第4四半期(6月―3月)の入札契約状況をチェック。落札率が極端に低かったものや、高かったもの12件を取り上げ、各発注部局から事情を聞き取りした。
昨年7月に入札した国道178号岩美道路トンネル工事(岩美1号トンネル)(=鴻池組・青木あすなろ・美保テクノスJV施工)の落札率は82・6%。委員は県とゼネコンの積算に違いはないかと疑問視した。県の担当者は、元請け業者が主要機材を集中調達することでスケールメリットがあるのでないかと推測。その上で「安いことは下請けにしわ寄せが行く恐れもあり、良いことだとは思っていない」と強調した。
3月に入札した岩美道路橋梁下部工1工区と同2工区では、同じ業者(大晃工業・プロテクトJV)が低入札で落札していると指摘があった。県の担当は隣接工区で施工実績もあり、予定価格と応札額の差異については「稼働日数の低減など施工の効率化によるもの」と推察。低入調査でも施工の確実性を確認できたと付け加えた。
また、とりぎん文化会館と米子コンベンションセンターの特定天井耐震工事実施設計は、随意契約で落札率100%だった。県は音響設備などに特殊性があり、元設計者である佐藤総合企画に限定されると理解を求めた。
このほか昨年、発生した智頭町市瀬の土砂崩落に伴った治山工事3件は同じ業者(谷口工務店)と随意契約。落札率もほぼ100%だった。県は建設業協会との災害協定によって推挙された同社が応急対応を実施しており、工事用道路が1本しかなく工期も制約があったため随意契約に到った経緯を説明した。
日刊建設工業新聞