県安房農業事務所は、広域営農団地農道整備事業の安房2期地区で本年度、JR内房線を横断する1号トンネルに着工する。工事はJR東日本と基本協定を締結し、JR東日本が実施する。県予算に債務負担行為17億3400万円を設定した。期間は2018〜21年度の4か年。基本協定は今月中に締結する予定。
本年度はこのほか、5号トンネルの基本設計、道路改良工事(路盤工)等120m、用地買収などを予定。事業費は昨年度からの繰り越し分を含め1億9083万2000円を見込む。
1号トンネルは、南房総市富浦町南無谷地先でJR内房線を横断する。延長は約44m、有効幅員6mの計画。工法はHEP&JES工法を採用。詳細設計は昨年度でJR東日本に委託し、同社がジェイアール東日本コンサルタンツ(東京都豊島区西池袋1―11―1)に外注した。
5号トンネルは、素掘りの中尾沢トンネルを拡張・整備する予定だったが、トンネルの下を三芳水道企業団の配水管が埋設されていることなどから新たに掘削し、新設する予定。延長、幅員等は本年度の基本設計の中で検討する。
昨年度は工法検討を道路建設コンサルタント(千葉市中央区今井1―23―7)に委託し、開削した場合と掘削した場合のコスト等の比較検討を行った。
広域農道安房2期地区は、総事業費45億1500万円を投入し、国道127号の南房総市富浦町南無谷地先から同町宮本地先までの延長約3217mを整備する計画。昨年度から地方創生道整備交付金を活用し、整備を進めている。同交付金の期間は17〜21年度の5か年で、事業費20億円(うち交付金10億円)を見込む。
同地区では、構造物として1〜5号までのトンネル5か所が計画され、これまでに2〜4号の3か所が完成している。施工者は、2号トンネルが鴻池組(7億8800万円)、3号トンネルが十文字土木(7億7909万3000円)、4号トンネルが竹中・古谷JV(5億780万円)。
広域農道安房2期地区は、農産物の迅速な輸送や点在する観光地間のアクセス向上、災害時におけるリダンダンシーの確保の実現を目指す。