大分県中津市で発生した大規模な土砂崩れを受けて、県土整備部は3日、土砂災害警戒区域(イエロー区域)で実施した緊急点検の結果を県議会地域振興県土警察常任委に報告した。県内6カ所を点検した結果、ただちに土砂崩壊につながるような現場はなかった。
4月に中津市耶馬渓町で起きた土砂崩れは、火山性堆積物が風化して崩れたことが原因。同部は専門家の助言を踏まえ、県内3470カ所のイエロー区域から斜面高さ100b以上、最大傾斜度45度以上―など耶馬渓町と同じような条件を満たす県内6カ所を抽出して点検した。
点検の対象カ所は▽鳥取市鹿野町河内▽同市青谷町北河原▽同市青谷町八葉寺▽同市河原町牛戸▽琴浦町野井倉▽伯耆町大坂―。県測量設計業協会の協力を得て5月22日から3日間実施した。
その結果、土砂災害の要因になり得る崩壊した跡や湧水、浮き石が何カ所かで確認されたが、すぐに崩落するような変状はみられなかった。
本紙の取材に同部は「過去に崩落した大きな転石があるカ所もあり、数百年単位では崩れる恐れもある」(治山砂防課)と説明。また点検の際には併せて、住民に対し前兆の現象があれば知らせてほしいと注意喚起した。
日刊建設工業新聞