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建通新聞社(東京)
2018/07/04

【東京】都 河川施設をグリーンインフラとして整備

 東京都建設局は「自然環境を活用した河川施設に関する検討」業務をオリエンタルコンサルタンツ(渋谷区)に委託した。自然の持つ多様な機能や仕組みを活用するグリーンインフラの概念を今後の河川整備に取り入れることを視野に、旧河川敷を活用した緑地や水辺の創出、自然環境機能を生かした調節池施設の整備など都が実施可能な事業の内容を検討する。
 都では、これまでに行ってきた多自然川づくりや緩傾斜護岸の整備、護岸緑化など自然の持つ機能の保全・活用に配慮した取り組みを踏まえ、グリーンインフラの整備として▽河川管理用通路の緑化など質的向上▽旧河川敷を活用した緑地や水辺の創出▽自然環境機能を活用した調節池施設―などを想定。
 今回委託した業務を通じて、それぞれの事業の具体的な内容と実現可能性を探る。
 河川管理用通路は、善福寺川や野川、黒目川、落合川、残堀川など15河川を対象に現況を確認し、透水性舗装による雨水浸透、雨水貯留浸透機能を持つ緑化基盤材の活用といった整備内容を考える。
 旧河川敷を利用した緑地の創出では、都管理の全105河川を対象に旧河川敷が存在する箇所を洗い出し、地域のニーズなどを踏まえたポケットパーク型親水公園の整備や、自然豊かな緑道の整備、湿性植物の再生による水質浄化水路の整備、親水空間としてのせせらぎ水路の整備などを検討する。
 調節池については、既存の28カ所で屋上緑化や壁面緑化、保水機能を持つ素材の使用など雨水の保水・遊水機能の確保の方策を検討する。併せて今後新規に整備予定の野川と境川、石神井川で、治水機能に影響を及ぼさず、自然流下が可能な範囲で貯留・浸透機能を付加した「オープン式調節池」や、将来の上部利用や雨水の貯留・浸透機能を確保した「地下式・覆蓋(ふくがい)式調節池」の整備案を検討する。

提供:建通新聞社