北海道建設新聞社
2018/07/03
【北海道】伸び率、4年連続全国首位 18年道内路線価
札幌国税局は2日、道内30税務署の2018年路線価を公表した。最も高価なのは札幌ステラプレイス前の道道札幌停車場線通で、1m²当たり424万円。7年連続で上昇。全国の順位は前年と同じ7位だった。伸び率が最も大きかったのは、海外投資家によるコンドミニアムの開発が相次ぐ倶知安町山田の道道ニセコ高原比羅夫線通で、前年を88.2%上回った。4年連続で全国トップの伸び率となっている。
道内約1万5600地点の平均変動率は0.2ポイント増の1.1%で、3年連続の上昇。人口減少が著しい地方の下落が続く中、ホテルやマンションなど再開発事業が多発する札幌が全体をけん引した。
道内30税務署の動向を見ると、最高路線価の上昇は札幌中、札幌北、札幌南、札幌西、札幌東、富良野、倶知安の7署で前年より1署少ない。横ばいは函館、小樽、旭川中、旭川東、室蘭、釧路、岩見沢、網走、留萌、紋別、名寄、根室、滝川の13署で、3署増えた。
下落は10署。下落率5%未満が帯広、北見、苫小牧、稚内、江差、八雲、余市、浦河の8署で、前年と同数。5%以上は深川、十勝池田の2署で、2署減った。
最高路線価の上位3カ所は札幌市が占めた。首位の札幌ステラプレイス前は、上昇幅が前年より縮小したが、1m²当たり56万円の値上がり。不動産鑑定士の斎藤武也氏は、北海道新幹線札幌駅延伸を見据えた北5西1、西2街区などの再開発への期待が大きいとし、「ホテル用地としての取引需要は高い」と分析する。
さらにJR札幌駅前の北口西通は、空室率の低下を背景にオフィスビル用地として注目されているとし、1m²当たり28万円上昇の118万円と、100万円台に乗せた。
札幌以外を見ると、倶知安が前回の6位から4位に浮上。1m²当たり32万円で15万円アップした。依然として海外投資家からの注目度は高く、斎藤氏は「全国でも特殊な動きだ」と目を見張る。
富良野市幸町は、市民の憩いの場を兼ねた複合商業施設「フラノマルシェ」の集客が好調なことから、上昇幅は縮小したものの価額増となった。
国税庁のまとめによると、全国の最高値は東京都中央区銀座5丁目の銀座中央通で、前年を9.9%上回る1m²当たり4432万円となった。
これに大阪市北区角田町の御堂筋が6.8%増の1256万円、横浜市西区南幸1丁目の横浜駅西口バスターミナル前通が13.3%増の1024万円、名古屋市中村区名駅1丁目の名駅通が13.6%増の1000万円、福岡市中央区天神2丁目の渡辺通が11.1%増の700万円と続いた。
相続税や贈与税の算定に用いられる路線価は、毎年1月1日を評価時点とする。地価評価額や周辺の売買実績、不動産鑑定士による鑑定評価額などに基づいている。