北海道建設新聞社
2018/07/02
【北海道】遠軽町タスクフォース 都市再生に挑戦(上)
2018年6月、遠軽町の若手職員プロジェクトチーム「都市再生タスクフォース」は、国の都市再生整備計画事業に申請するための計画案をまとめた。このチームは17年12月に20―30代の若手町職員を中心に結成。19年度着工予定の仮称えんがる町民センターを中心に据え、市街地に新たなにぎわいを生み、人と人との交流を創出する計画を策定することが目的。人口減少が進み、活気を失いつつあるこの町で、町の未来を創るため、大きな一歩を踏み出した若手職員たちの活動をたどった。
■若手職員の発想に期待
結成のきっかけとなったのは17年8月。同計画を策定するため、関係部署の担当者会議を開いて案を募ったものの、2件しか集まらなかった。そこで地域拠点施設準備室の今井昌幸参事は、行政改革推進計画に盛り込まれていた若手職員政策提案制度を本格的に活用し、より柔軟な発想を期待できる若手職員を中心とした政策提案チームでの計画考案を進めることとした。
最終的に決まったメンバーは20―30代の若手職員を主体とした10人。リーダーの今井参事は、チームのサブリーダーを務めることとなる巴章匡都市計画担当係長と共に、都市再生に関わる部署を横断する形で若い職員に声を掛けた。「長く町職員として勤務していると、良いアイデアを思いついても、今までの経験から挑戦する前に諦めてしまっていた。しかし、若手職員にそのような懸念はなく、自由な意見が多く出るのではと考えた」と説明する。
結成当時、入庁3年目でチームのメンバーとなった建設課の下井裕人技師補は「若者による独創的な考えが求めれていると感じた。経験は浅いが、どうにか力になれるよう頑張ろうと思った」と振り返る。
「都市再生タスクフォース」というチーム名は今井参事が命名。自衛隊遠軽駐屯地に関する業務を担当していた頃、自衛隊の組織力や機動性を持って職務に取り組む姿勢に感銘を受けたという。同計画も、そのような姿勢で策定が進められるようにと願いを込め、「任務のために編成される部隊」の意味を持ち、自衛隊などでも使用されている「タスクフォース」という言葉をチーム名に盛り込んだ。
■大型建設続き活気生み出す好機
計画策定に当たっては、町職員としてのメンバーそれぞれの思いもあった。「普段の業務で歩道整備を進めても、人口減少などの影響で歩いている人を見掛けることが少なく、寂しい気持ちもある」と吐露するのは巴係長。「だからこそ、中心地ににぎわいを持たせ、多くの人に歩道を利用してもらいたい。歩行者が増えれば町内の店舗利用者も増え、活気が生まれる」と話す。
今井参事は、普段の業務で仮称えんがる町民センターや、道の駅建設に関する業務を行っている。ここ数年は町内の大規模建設が続くことから、「町が大きく変わる時期を迎えた。このタイミングで町外の皆さんにも立ち寄ってもらえる町の魅力を付けなければならない」とみており、この計画によって中心市街地に活気が生まれれば、「JR石北本線存続をはじめとした、地域課題を解決する起爆剤になるのでは」とも期待している。