岐阜県は、7月にも一般競争入札の公告を行う関ケ原古戦場ビジターセンター整備について、内装イメージや商業棟のレイアウトなどを明らかにした。インフォメーションエリアでは県産の不燃化材を壁面や柱などに使用することや決戦のフロアでは、床面スクリーンに関ケ原の戦いの経過をVR地形図などで投影するなど、映像設備を駆使する。商業棟は物販エリアの他、テラスにカフェを設ける仕様とした。
内装イメージを見ると、1階のエントランスは落ち着いた壁面とし、ジュライイエローの石材を使用する。インフォメーションエリアには、県産の羽目板を設置する。回廊は、版築仕上げ塗材とする。2階ホールの壁は、ペンキ地下クロス張りとなる。
導入部は関ケ原の戦いに向けて、明るく開放的なエントランスから、暗く狭い空間にし、次の展示ヘの期待感を高める内容とする。
決戦の展示室は、東軍西軍を色で表現し、合戦の経過に合わせて色彩が変化する設備を設けるとともに、4・7b×7・7bの床面スクリーンを設置する。
2階の常設展示では、複製した重要資料の展示や映像コンテンツの他、模型や造形で展示を構成する。ケース、間仕切りなどはイベントなどで可変できるようにする。また、ラボを配置し、貴重な資料を収蔵する。
この他、展示ケースは国宝や重要文化財が展示できる高規格(高気密で、恒温恒湿環境を維持)のものにする。
さらに5階展望室は、全ての陣跡地が見渡せる範囲をガラス張りとし、ビジターセンターを中心とした地図を床に設置する。
商業棟は、物販エリアが250平方b。体験エリアやカフェ・スイーツスタンドなどを設ける。また、飲食エリアは120平方bで、店内56席、屋外52席とする。
関ケ原古戦場ビジターセンターは、鉄筋コンクリート造5階建て延べ4725平方b。建築と設備に分離し総合評価の一般競争入札として第2四半期に公告する。建築の発注規模は約22億円(2018〜20年度までの債務負担行為設定有り)。電気が約4億円、機械が約5億円となっている。
ビジターセンター本体の設計は東畑・デザインボックス設計JVが担当した。9月の議会定例会で承認を得てから着工し、20年春のオープンを目指す。
建設地は関ケ原町関ケ原地内。
提供:
建通新聞社(2018/06/28)