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建設新聞社
2018/06/29

【東北・宮城】光科学イノベCの提案を高評価/放射光施設パートナー選定報告書まとまる

 文部科学省の科学技術・学術審議会量子ビーム利用推進小委員会は、次世代放射光施設の整備に向けたパートナー選定について、最終報告書をまとめた。東北大学内に建設する計画で唯一応募していた光科学イノベーションセンター(以下:光科学C)らの提案を、パートナーとしてふさわしいと高く評価。文科省は近く正式決定する見通しだ。
 次世代放射光施設は、国と地域・産業界が連携して建設し、国としての主体は量子科学技術研究開発機構(以下:量研)が担当。地域と産業界からのパートナーはことし初めに公募し、光科学C・宮城県・仙台市・東北大学・東北経済連合会の連名提案1件のみ受け付け、内容を調査し、28日付けで報告書を公表した。
 それによると、新しい産学連携の仕掛けやアクセス性、自治体のコミット表明などを高く評価している。
 光科学Cが中心にまとめた東北放射光施設「SLiT−J」計画は、企業の利用しやすさを特色とする。整備候補地は仙台市荒巻青葉6丁目6番の東北大学青葉山新キャンパス内で、地下鉄青葉山駅に近い約6f。
 総事業費は約360億円で、国が最大約200億、提案者が最大約170億を負担。このうち国は加速器と光源を約170億で建設。国と提案者が分担してビームラインを約60億(提案者は最大約40億)で建設する。
 また提案者はライナック棟や蓄積リング棟など基本建屋(寸法約250b×175b)を約83億、研究準備交流棟(4〜5階建て、延べ約5000〜6000平方b)を約25億、土地造成を約22億で整備。
 基本建屋は遮蔽壁の材料や厚さを計算済みで、実験ホールも拡張性や利便性を重視した計画だ。造成に関しては、北東の谷部分を地盤改良するか、避けた配置とするか今後検討する。
 光科学C事務局によると、各工事の発注主体などは今後、国とも協議して詰めるという。なお、地盤調査は光化学Cが委託、建屋計画は東北大学の放射光分野の教授らが協力してまとめている。

 提供:建設新聞社