熱海市は、熱海港湾エリアの将来構想を示した「熱海港湾エリアにぎわい創出整備計画案」を公表した。旅客船ターミナルや、フィッシャーマンズワーフ(魚市場・港食堂、観光船の旅客施設などの複合施設)の整備などを検討しており、市は今後、構想の実現に向け関係機関と協議を行い、事業推進を図る。
同事業は、国内外のクルーズ船の需要が高まっていることを受けて、新たな玄関口として熱海港の整備とクルーズ船の誘致を行うことで、陸・海からのアクセス性を高め、同市と伊豆箱根地域全体の活性化を図るもの。2017年度に同計画案作成に伴う基礎調査をいであ(東京都世田谷区)が行った。計画案では「海の玄関口(熱海港)」と「海辺」に分けて、それぞれにぎわい創出に向けた施策を盛り込んだ。
海の玄関口(熱海港)は全長167bの「にっぽん丸」と同程度以下のクルーズ船、全長24〜50b程度の富裕層が所有する大型のプレジャーボート「スーパーヨット」の誘致に向け整備を検討する。
クルーズ船の受け入れ施設として、津波避難施設を兼ねた旅客ターミナルや緊急物資の受け入れスペース・乗客を輸送するバスの駐車場(1200平方b)など、複数の機能を兼ね備えた施設建設が必要とした。また、スーパーヨットの受け入れは港奥部の−7・5b岸壁の西側や渚公園前を想定しており、その付帯施設として係留施設、メンテナンス施設、クラブハウス、ヘリポートなどの整備を盛り込んだ。
その他、臨港道路の整備として港奥部から国道への出口となるマリンスパ熱海入り口交差点の渋滞が課題となっており、それを解消する右折車線の2車線化・ペデストリアンデッキ導入による歩車分離が有効と提案した。
海辺のにぎわい創出については、回廊と滞留・回遊を促進する方策に着目した整備を図るとした。
滞留機能の核となる施設として複合施設「フィッシャーマンズワーフ」の建設、回廊機能では交通拠点を中心にパーク&ライド&ウォークの仕組みの整備、道路空間の再配分などを検討している。
提供:建通新聞社
(2018/6/29)
建通新聞社 静岡支社