宮崎建設通信社
2018/06/28
【宮崎】宮水に複合施設として新設 日之影町新庁舎建設基本計画
役場庁舎の建て替えを計画する日之影町は、新庁舎建設に係る基本的な指針となる「日之影町新庁舎建設基本計画」を策定した。宮水地区の現町民センター及び福祉館を解体し、跡地に庁舎と文化施設の複合施設として新設することとし、規模は基本設計段階で庁舎機能等の具体化を図りながら決定する。2018〜19年度に基本・実施設計、19〜20年度に建設工事を行い、20年度末頃の完成を目指す。
現在の役場庁舎本館(RC造一部S造等、地上3階建、延床面積1614m2)は竣工から60年が経過。経年劣化による建物や設備の老朽化が進み、社会情勢の変化に伴う様々な機能の不備もさることながら、防災拠点であるべき庁舎の構造が現行の耐震基準を満たしていないなど、様々な問題を抱えている。
将来の社会情勢を見据えつつ、庁舎を取り巻く様々な課題を解消し、住民サービス行政効率の向上を図るため、庁内に設置した新庁舎建設委員会等で具体的な機能や規模等に関する協議及び検討を実施。ことし5月に委員会から提出された新庁舎基本計画案及び意見書について協議を行い、日之影町新庁舎建設基本計画を策定した。
施設整備の基本方針に@町民に開かれた誰もが利用しやすい庁舎A防災拠点となる庁舎B町民サービスの向上が図られ効率的な行政運営の場C議会活動を推進する場D環境にやさしいぬくもりを感じられる庁舎―を掲げ、窓口機能や防災拠点機能、執務機能、憩い及び交流機能、議会機能、駐車場機能、省資源・省エネ機能等を設ける。
新庁舎の建設場所に関しては、町民アンケートで災害に強い拠点や利便性の向上を求める意見が多く寄せられたことに加え、現在の町民センターの耐震性確保や図書館機能の不備などの課題を一体的に解決するため、現町民センターと福祉館を解体し、跡地に庁舎と文化施設の複合施設として整備する宮水地区移転案に決定した。
規模に関する検討では、総務省起債基準に基づく面積を3233m2、国土交通省新営庁舎基準に基づく面積を3557m2、他自治体庁舎に基づく必要面積を2725m2とそれぞれ算定。基本設計段階で庁舎機能等の具体化を図りながら決定する。駐車場は、来庁者用や公用車用、議員用、職員用を含め150台程度を確保する。
町では、これらを踏まえた新庁舎建設に係る概算事業費を約12億円と想定。財源には、17年度に制度化された総務省所管の公共施設等適正管理推進等事業費や市町村役場機能緊急保全事業の活用を視野に入れるとともに、今後の施設の在り方等を踏まえ、他の財源の活用も検討する。
現庁舎に於ける耐震性の問題等から新庁舎建設を早急に進める必要があるため、事業方式は町が主体的に建設する直接建設方式(従来方式)とする。事業スケジュール案によると、18年度〜19年度に庁舎建設に係る基本・実施設計を進める見通し。基本設計と実施設計は一括発注とするが、発注方法や発注時期は現時点で未定としている。