県と秋田市は新たな文化施設について、9月議会に実施設計素案を提示するとともに、本体工事費の継続費を設定、本体工事は12月上旬に公告し、施工者を選定する。3月下旬には仮契約する予定。現時点での総事業費は、これまで示していた231億円から23億円増加し、約254億円となる見通し。
新たな文化施設は、建築面積8,600u(地階2,320u、1階5,030u、2階4,290u、3階5,100u、4階3,340u、5階1,220u、6階320u、すのこレベル120u)や附属駐車場(2,440u)を建設するもの。
施設は高機能型ホール(約2,000席、7,850u)と舞台芸術型ホール(約800席、4,450u)を核に、エントランスロビーや情報発信・にぎわい創出部門(2,050u)、文化創造部門(2,010u)、管理・共用部(5,380u)などで構成される。
事業費増加の内訳は、本体施設整備費が22億円の増(181億円→203億円)、設計・監理および外構工事等が1億円の増(13億円→14億円)。調査費や県民会館解体費、駐車場整備等費は現在のところ増減がない。
事業費増の内容としては、労務費や資機材の価格上昇等で12億円の増。基本設計事業者の公募時から本体工事施工者公募時までの建設物価上昇率を、建設物価指数に基づき約5%と推計して約10億円が増えたほか、最新の地質調査を踏まえた基礎杭の規格確定により増となった。
基本設計ワークショップなど市民・県民からの要望による増は9億円。秋田らしさを演出するため、内装などに県産材や「伝統工芸品を活用するほか、リハーサル室を小ホールとしても活用するための機能を追加。高機能型ホールへの仮設花道の設置や、水辺空間の眺望デッキの整備などにかかる分が増える。
バリアフリーや環境への配慮、防犯などへの対応では2億円の増。車イス席の拡充に伴い、障がい者の円滑な動線確保に向けたエレベーターの追加や、エントランスなどの大空間における効果・効率的な空調方式の導入、防犯対策の強化に伴う防犯カメラの配置見直しによる増などが理由にあげられている。
9月議会には実施設計(素案)を提示し、本体工事費の継続費を設定。12月上旬にはWTO案件として本体工事の入札公告手続きを開始し、施工業者の選定作業に入る。平成31年の2月議会には実施設計案や運営管理計画案を提示し、同年3月下旬には工事請負契約を仮契約する見通し。本契約は通常の流れであれば6月議会での承認後となるが、それ以前に行われる臨時議会に議案を上程する可能性もある。
なお、現在は佐藤総合計画・小畑設計JVで実施設計を進めている。
提供:秋田建設工業新聞社