国土交通省関東地方整備局は6月18日、「地域インフラサポートプラン関東2017」に盛り込んだ、建設業の担い手確保や生産性向上を支援する取り組みの実施状況を公表した。施工時期の平準化については、金額ベースで目標を達成。17年度から開始したICT舗装工については、導入対象とした工事17件のうち6件で実際に適用した。同様に17年度から始まった週休2日制モデル工事については、施工者希望型で発注した工事222件のうち89工事で受注者が導入を希望したことを明らかにした。
サポートプランは▽担い手の確保・育成▽生産性の向上▽建設現場の魅力発信―という重点項目に基づき、具体的な取り組み事項を盛り込んだもの。同局は今回、プランに記載した16施策を評価するとともに、受注者からの意見も記載。フォローアップの結果を踏まえ、内容のさらなる拡充に取り組むとした。
施工時期の平準化では、第1四半期の工事の平均稼働件数(金額)を年度の平均稼働件数(金額)で割った「平準化率」を指標に活用。同局の17年度の平準化率は金額ベースで0・91、件数ベースで0・87となり、「平準化率0・9」という目標を金額ベースで達成した。ただ、金額の平準化率は前年度比0・01ポイントとわずかながらダウン、件数の平準化率も前年度と変わらず、15年度、16年度と続いた平準化率の改善が頭打ちとなった。同局は引き続き計画的な発注による目標達成を目指す。
一方、受注者からは、工期の設定が年度末に集中することが多い中で、年度をまたぐ工期設定を求める声や、地方公共団体も同様の取り組みを行うよう指導を求める意見もあった。
ICT施工技術の推進に向けた取り組みでは、ICT舗装工を発注者指定型2件と施工者希望型15件で初導入。施工者希望型3件を含む計6件の工事で実際に適用した。ICT土工は発注者指定8件と施工者希望180件を発注し、施工者希望66件を含む95件で適用した。
受注者からは、「発注者の知識がついてきていない」とする声や、適正な積算基準を求める意見が出た。
17年度から開始した週休2日制モデル工事については、これまでに12工事が工期を終え、「4週8休の8割」という目標を達成する見通しだ。
提供:建通新聞社