国土交通省関東地方整備局は「明治記念大磯邸園」(大磯町)の基本計画策定に向けた検討を始める。有識者や関係自治体、周辺住民の意見を聞きながら整備内容やスケジュール、管理運営方法を2018年度内に具体化し、19年度以降の設計などにつなげる。これに伴う業務の委託先を選ぶため、所管の国営昭和記念公園事務所が6月15日に簡易公募型プロポーザルの手続き(窓口=相武国道事務所)をスタート。土木関係建設コンサルタントの競争参加有資格者から7月2日まで参加表明書、7月23日まで技術提案書を受け付けて、8月上旬のコンサルタント特定を目指す。
明治記念大磯邸園は、大磯町東小磯・西小磯に民間企業が所有する▽旧伊藤博文邸(滄浪閣、土地約1・7f、建物5826平方b)▽旧大隈重信邸・旧陸奥宗光邸(土地約2・6f、建物約802平方bと約680平方b)▽旧・西園寺公望邸跡(旧池田成彬邸、土地約1・5f、建物約815平方b)―の土地と歴史的建物群を取得するなどして整備する。明治期の立憲政治の確立などに貢献した先人の業績を次世代に伝える取り組みの一環。政府が17年11月に同園の設置を閣議決定し、国交省は17年度補正予算で24億4000万円、18年度当初予算で10億6000万円の用地取得などの経費を確保した。
全体面積約6fで、西湘バイパス沿いの特別緑地保全地区を除く約5fを都市計画公園(特殊公園)に位置付ける考え=図(今年3月時点)。地元の大磯町が年内の決定告示を目標に都市計画手続きを進める。国が歴史的建物群とその周辺を公共空地、町が特別緑地保全地区の周辺を町立都市公園として整備する方向だ。
また、明治元年から満150年に当たる今年10月に民間企業からの借用で一部を公開する予定になっている。
基本計画の検討に当たっては有識者や神奈川県、大磯町を交えた会議体を組織。業務を通じて老朽化が進む歴史的建物群の状況などを詳しく把握した上で、会議体での議論を踏まえながら、自治体との役割分担を前提に整備の内容やスケジュール、最適な管理運営方法を練って基本計画に盛り込む。都市計画手続きの進み具合を見ながら基本計画の原案を周辺住民に示し、寄せられた意見を踏まえて18年度内に基本計画の案をまとめる。9月上旬〜19年3月下旬を期間に業務を履行してもらう。
提供:建通新聞社