京都市は、左京区岡崎の京都市動物園について、新たな構想の策定に着手する。再整備するサルワールドの機能などを検討する。施設整備では民間事業者のノウハウや経験を活用する。
現在の構想は策定後10年が経過しているため、多様化する環境教育のニーズに対応するとともに、京都市動物園が国の科学研究費補助金承認機関の認定を受けたことを機に、全国の動物園の中で希少動物の繁殖や研究・教育において主導的な役割を果たすことを目的に、新たな構想を策定することを決めた。文化市民局は30年度当初予算に500万円の事業費を確保した。
新構想の策定では動物園が組織する検討会議を設置。検討会議は4回程度開催する。検討内容は、▽動物園における教育普及事業を体系化した教育プログラムの見直し及び充実▽霊長類をはじめとした希少動物の研究を更に進め、研究成果を日本国内、世界に発信▽岡崎地域の他施設(京都市美術館、琵琶湖疏水記念館等)、京都市の関係部署(観光MICE推進室等)と連携し、来園者の増加に繋がる取組の推進▽魅力ある展示となるよう、時代の潮流を踏まえた展示方法や、環境エンリッチメント等の動物福祉に配慮した取組の強化▽ユニバーサルデザインの推進▽再整備を経て新しくなった園内の動物舎、サービス施設及び自然環境の美観を持続的に維持するための取組の強化▽サルワールドの再整備検討(老朽化した「サルワールド」(サル島及び類人猿舎)を再整備し、時代に即した、動物福祉に基づく動物舎を建設。同時に教育・研究機関としての機能を拡充するために「生き物・学び・研究センター」の研究・教育拠点、関係機関等及び京都市の庁内関係部署との連携・交流の拠点、研究成果等を市民に還元するための拠点となるよう計画)等。
市は12日、平成30年度「新たな「京都市動物園構想」」策定に係る業務委託について、公募型プロポーザルで公告した。
委託内容は@検討会議の運営支援業務Aパブリックコメント実施支援業務Bサルワールド再整備の基本計画策定に係る業務Cその他付帯する業務全般。
プロポの主な参加資格は▽京都市競争入札参加有資格者名簿に登録▽過去10年以内において、今回の業務と同種、類似業務の実績を有する(行政・民間のいずれでも可)。今回の業務と同種、類似業務の実績は「19年度以降に博物館法に基づく、博物館類似施設等の新築又は増築工事で、建築基準法上の延べ面積(増築工事にあっては増築部分の延べ面積)が1000u以上の工事の基本計画、基本設計又は実施設計業務を受託者として受注した実績があること」とする等。
資料の提出は6月26日5時まで。提案評価・面接実施は7月2日、受託予定者選定通知は7月9日頃。
履行期間は31年3月29日まで。
契約上限額は420万円(税込)。
担当は京都市動物園総務課(рO75−771−0210)。