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建通新聞社(神奈川)
2018/06/13

【神奈川】県環境農政局 栽培漁業施設を再整備へ基本設計


 神奈川県環境農政局は、水産技術センター内にある栽培漁業施設の再整備に向けて、2018年度に基本設計を行う。既存施設の老朽化や、新たな栽培漁業対象魚種の生産技術開発への対応を目的に、一部建物の建て替え、設備の更新などを計画している。工事期間は4年程度に及ぶ見通しだ。詳細設計(1年程度)や、工事着手は19年度以降になる。
 栽培漁業施設は、三浦市三崎町城ケ島養老子の敷地2万3758平方bに、大小20程度の建築物などを有する水産技術センター内に所在。センター本館の西側が第1栽培漁業施設、東側が第2栽培漁業施設として使用されている。
 このうち、第1施設は、稚魚や稚貝を生産する技術が確立した魚種を対象とする生産施設で、県栽培漁業協会が使用。一方、第2施設は水産技術センターにより、新たな対象魚種のための技術的な開発が進む。
 今回の再整備は、第1、第2施設の両方を対象とするもの。第1施設は老朽化が大きな課題となっており、特にアワビの稚貝を生産する「採苗棟」では基礎のコンクリートに爆裂が生じている他、水槽などの傷みも著しい。第2施設については、カサゴやメバルなどの新たな対象魚種に対応するための整備が求められている。
 基本設計は、17年度に海洋エンジニアリング(東京都台東区)で実施した概略設計を踏まえたものとなる。その内容は、採苗棟、海水ポンプ・ブロワー棟、サザエ飼育棟の建て替えの他、急速ろ過機の更新・増設、管理兼貝類種苗生産棟への高密度ろ過器導入、魚類種苗生産棟へのホイストクレーン導入などの整備。設計条件の設定や、再整備内容の検討、工事工程計画の作成、概算事業費の算定といった作業を18年度末まで行う方針だ。
 基本設計業務は外部委託することにしており、現在、手続きを進めている。開札予定日は6月18日。18年度予算には再整備に向けた基本設計費などとして2110万円が計上されている。
 基本設計と詳細設計を経た工事は建築、土木、各種設備など多岐にわたる見通し。施設機能を継続させながら進める考えで、既存解体後に新施設を整備するケースもあることから、工期は4年程度になるもよう。
 栽培漁業は、自然水域で漁業資源を回復・維持増大(増殖)・育成させ、漁業資源を回収する漁業。海洋開発のうち、資源管理型漁業の一形態として注目されている。

提供:建通新聞社