東京都都市整備局は、足立区内にある都有地2カ所を候補地に「都有地を活用した魅力的な移転先の整備」を開始する。木造住宅密集地域の改善に当たり、住み慣れた地域で居住し続けたいとの意向を持つ権利者が多いため、地域のコミュニティーを維持しながら権利者の移転先となる施設(住宅)を、都有地を活用して民間事業者に整備してもらう。これに先立ち事業者を対象とした「対話(マーケット・サウンディング調査)」を7月25日〜8月17日に実施する。ここでの意見を参考に今秋に事業実施方針を公表し、年度内に事業者公募を始める。
木密地域解消に向けた取り組みとして、老朽化した住宅の解体や建て替え、共同化といった事業を進める際、居住者が移転先の環境やコミュニティーを不安視して協力が得られないケースがある。そこで、移転者の意向やコミュニティーの持続性、生活利便性などを考慮した施設を、都有地を活用して民間事業者に整備してもらう。移転に関する不安を和らげることで、不燃化に向けた取り組みをより円滑に進めることを狙う。
先行実施の候補地区は足立区江北4ノ18の敷地776平方b(第1種中高層住居専用地域、建ぺい率60%、容積率200%)と、関原1ノ4の敷地683平方b(準工業地域、建ぺい率80%、容積率300%)の2カ所。
事業実施に先立ち、民間事業者から▽事業コンセプト▽魅力的な移転先となる事業提案▽事業内容(居住形態、魅力ある住環境、コミュニティーの活性化、維持管理・運営)▽事業方式▽事業者が参入しやすい仕組み―などを個別に確認する。
対話に先立ち、6月22日に事前説明会(事前申込制で21日に締め切り)、27日に現地見学会(同25日に締め切り)を開く。対話の実施要領を同局のホームページに掲載している。
提供:建通新聞社