岡山市は7日、一般会計9億7511万円を増額する6月補正予算案を発表した。本年度一般会計累計総額は前年同期比1%増の3181億2684万円となる。12日開会の定例市議会に上程する。会期は28日まで。
予算案では、吉備線LRT化に向けて、岡山市・総社市・JR西日本の三者が連携して、運行計画や運行形態などを検討し、基本計画を策定するための経費3600万円を計上している。議決後、委託手続きに入る。詳細なスケジュールは未定だが、開業まで10年程度の準備期間を想定している。
吉備線のLRT化は、岡山市と総社市、JR西日本がJR吉備線(岡山−総社間を結ぶ20・4`)で次世代型路面電車(LRT)を導入する。新たに7駅を増設する予定。設備や車両などに要する初期費用は約240億円で、JR西日本が約58億円(24%)、岡山市が約70億円(29%)、総社市が約21億円(9%)、残りは国庫補助を活用する。
LRT化により、国道180号の渋滞解消や都心部流入交通量の抑制効果、利便性向上による交流、吉備路観光の活性化などが期待されている。
また、大規模多目的広場(内尾グラウンド)整備に向け用地取得手続きを進めるための地質調査委託費1191万円を計上。南区内尾の県環境保健センターに隣接する県有地を取得してスポーツ利用を主目的とした大規模な多目的広場を整備する。内尾の県有地は約13f。市は、各種競技の全国大会が開催可能なソフトボールコート4面程度が確保できる4f以上の用地と400台分以上の駐車場が整備できる土地の取得を目指している。地質調査とともに県と協議を進めて、取得面積などを固めていく。順調なら、2019年度当初予算に土地購入費を計上する。土地取得後、必要があれば設計などを委託していく考え。工事内容や発注時期は未定だが、22年度中の整備完了を予定している。
市では、現在、週末を中心にほぼ予約が埋まっている操車場跡地の岡山ドーム西側にある自由広場(1・4f)とスポーツ広場(2・16f)が19年度に廃止され、芝生公園になることから、代替としてドーム東側に新多目的広場(1・32f)を設けることにしている。しかし、面積の減少が否めないことや全国大会が開催可能なスポーツ広場を望む声も多いことから、市中心部からの移動時間が30分程度の同地を整備地として選定した。
補正予算案の主な事業費は次の通り(単位・万円)。
▽大規模多目的広場(内尾グラウンド)整備事業1191▽公立幼稚園民営化(馬屋上幼稚園跡地活用私立認定こども園整備に対する助成)1億2500▽吉備線LRT化基本計画案作成3600▽市街地再開発事業(国の補助決定に基づく補正・表町三丁目10番11番23番24番地区)3億9860▽小学校運動場夜間照明設置事業(平津小学校運動場へ夜間照明施設設置)5200▽土木施設災害復旧事業(県道長谷小串線1路線1カ所)1589
[債務負担]新斎場整備事業〈ガス管工事負担金〉(2018〜20年度)限度額2億6400
「提供:建通新聞社」