建通新聞社
2018/06/08
【大阪】北部地下河川大深度地下 年内にも使用認可
河川事業では全国初となる大阪府の寝屋川北部地下河川事業での大深度地下使用に向け、国土交通省による使用認可が年内にも決まる見通しだ。認可に向けては今年2月に府が国交省に対して使用認可申請書を提出。すでに申請書の縦覧を終えており、引き続き、関係行政機関と学識経験者の意見聴取、公聴会(6月22〜23日開催予定)を行い、認可の最終判断に入る。こうした状況を踏まえ府は、2019年度にも初弾工事(城北立坑築造)を発注する構えで、長年の懸案事項がいよいよ動き出す。
近畿圏大深度地下使用協議会幹事会の第7回会合が6月6日、大阪市内で開かれ、認可申請の状況を事業者の大阪府が報告するとともに、大まかな事業スケジュールを説明した。
幹事会に出席した国交省の横田一磨・都市政策課都市政策調査室長は、過去の例を見ればと断った上で、「意見聴取や公聴会、協議会本会などが順調にいけば今後4〜5カ月で認可の運びとなるだろう」との見通しを示した。
府の担当者は、「認可されれば速やかに着工準備に着手する」としており、19年度に城北立坑の築造工事を発注する。完成後、同立坑をシールドマシンの発進基地として利用し、上流側の鶴見立坑(既設)に向けて地下河川(鶴見調節池)を掘り進める。その後、下流側のポンプ場(到達立坑)に向け掘進することになる。
シールドマシンは泥水式を想定する。
寝屋川北部地下河川は、鶴見立坑〜城北立坑間(内径9b、延長1778b、貯水量12万立方b=鶴見調節池)、城北立坑〜ポンプ場間(内径11・5b、延長2905b、貯水量30万立方b=都島調節池)の延長4684bが未整備で残っている。同区間については基本的に都市計画道路下(未整備部含む)の大深度を使用して施工する。
大深度区間は、大阪内環状線(国道479号)から最下流部のポンプ場までの延長3549b(内径9b延長約643b、内径11・5b延長2905b)となる。
城北立坑は、内径約25b、深さ約80bの規模を見込む。建設地は大阪市城東区関目2丁目。事業用地面積は約9500平方b。詳細設計は東京建設コンサルタント関西本社(大阪市北区)が担当。鶴見調節池の詳細設計は日建技術コンサルタント(大阪市中央区)が担当している。