鹿児島市は、建物等の既存ストックを有効活用した団地再生推進事業を計画している。29団地を対象に空き地や公園、生活利便施設等を整理した団地カルテを作成し、7団地でワークショップ(WS)などを通して意見を聴取する。2018−19年度にWSや庁内検討会による具体策の検討を行い、20年度までに再生計画を策定する。
対象は、開発面積5ha以上の59団地のうち、土地利用ガイドプランで団地核に位置付けられている24団地と高度経済成長期に造成された計画人口2500人以上の5団地で計29団地。
計画策定に向けた業務委託は、企画提案方式で行う予定。背景には、高齢化や少子化に伴う空き家、郊外の大型商業施設の進出と人口減少による空き店舗が発生するなど、地域力の低下や上位・関連計画の立地適正化計画等が策定されたことなどから、具体策の検討に入る。
同業務のうち基礎調査では、世帯数や人口、高齢化率等の把握を59団地で実施。詳細調査は、29団地を対象に人口動向、商業施設や生活利便施設(郵便局、銀行、医療・福祉施設等)、賃貸マンションの立地、空き家・空き店舗、空き地(駐車場・農地)の状況等を把握する。
また、WSでは、課題解決に向けた意見やアイデア等を聴取するため、伊敷団地や岡之原団地、西郷団地(1、2、3工区)、皇徳寺ニュータウン、南皇徳寺団地の3地域計7団地で各2回程度の実施を予定している。
さらに、学識経験者等による講習会の開催やアンケート調査を実施。得られたデータなどから、課題の整理、分析を行い、再生の方向性を検討する。21年度以降に具体的な施策を行う考えだ。