南さつま市は、内閣府の地方創生汚水処理施設整備推進交付金を活用した、南さつま新ビジョン「未来に継承する豊かな自然との共生(生活環境クリーン計画)」を策定した。事業期間は2018年度から21年度まで。野間池地区の処理施設等を改修するほか、19年度から個人設置型浄化槽(570基)を整備する。総事業費は3億4300万円を見込む。
現状は、漁業・農業集落排水施設で処理場機器等の更新事業により、長寿命化対策を実施。浄化槽地域においては、個人設置型による合併処理浄化槽の推進を図っているものの、依然として汲み取り・単独浄化槽が多く、生活雑排水による集落内排水路からの悪臭等が生活環境の悪化につながっている。
そのため、市内全域において個人設置型合併処理浄化槽設置を推進し、漁業集落排水施設の野間池地区においては、供用開始から16年が経過している中継ポンプ場および処理場機器の改築を行う。
対象地域は、同市全域のうち農業集落排水区域(大浦地区)と漁業集落排水区域(坊泊地区)、公共下水道事業計画区域(加世田処理区)を除く。
事業内容のうち、野間池地区(1億4000万円)では、処理施設の機能診断を行い改修するほか、遠隔監視設備やマンホールポンプ場改修(9カ所)を予定。個人設置型浄化槽の事業費は2億300万円を見込む。
また、同市では16年度から集落排水処理施設への接続および合併処理浄化槽への切り替えによる改造、または改修に助成を行っており、交付金活用により抜本的な対策に乗り出すほか、社会資本整備総合交付金により加世田市街地で公共下水道事業に着手し、汚水処理人口の普及率向上を目指している。