横浜市環境創造局は2018〜21年度を期間とする下水道事業の中期経営計画素案をまとめ、期間中の整備費を総額2047億円と見積もった。前期(14〜17年度)に比べ44・5%の増で、主要設備の更新や取り付け管の再整備、浸水対策、高度処理導入などの取り組みごとに目標を設定。個別事業として横浜駅周辺の浸水対策や飯島雨水調整池、西部水再生センター第4期の整備などを挙げた。6月下旬〜7月末の市民意見募集などを経て10月に正式な計画とする。
単年度当たり490億〜540億円を投じて施策を推進する。主要施策別内訳は▽維持管理・再整備=1194億円(前期比27・4%増)▽地震対策=247億円(227・6%増)▽浸水対策=197億円(5・4%減)▽水環境=292億円(118・6%増)▽エネルギー・地球温暖化対策=113億円(97・1%増)―など。とりわけ再整備を巡っては、17年度に約300億円だった老朽化対策の事業費が38年以降には年間600億〜700億円程度と2倍に膨らむと予想しているため、将来に向けた財源・体制・事業手法などを検討するとしている。
併せて計画期間中の建設改良費が単年度当たり500億円台で推移して、総額2204億円(40・5%増)に上るとの見通しも示した。
主要施策ごとに取り組みや目標を見ると、維持管理・再整備では水再生センター・汚泥資源化センター・ポンプ場の主要設備の更新率を44%(17年度比プラス5ポイント)、同じく長寿命化率を88%(プラス14ポイント)に引き上げるとともに、土木施設のコンクリート表面防食被覆を52カ所、覆蓋を31カ所で行う。水再生センター〜汚泥資源化センター間の送泥管再整備を6路線(4路線増)で着手し、水再生センター・ポンプ場・汚泥資源化センターの再構築長期構想・計画などの策定を進める。
また、面整備管の再整備率を10%(プラス7ポイント)に高めつつ、約3500カ所にとどまる取り付け管の再整備箇所を2万5000カ所増やして約2万5800カ所にする。ノズルカメラを使った下水道管約4000`のモニタリング調査、Zパイプ約1万2700カ所の再整備なども盛り込んだ。
防災・減災に関しては▽水再生センター・ポンプ場・汚泥資源化センターの耐震化率78%(プラス16ポイント)▽緊急輸送路のマンホール浮上対策率100%(プラス32ポイント)▽鉄道軌道下の下水道管耐震化率100%(プラス40ポイント)▽ハマッコトイレ整備・地域防災拠点383カ所(209カ所増)▽流末枝線の耐震化340カ所(120カ所増)▽幹線下水道の耐震化率53%(プラス18ポイント)▽時間降雨量約50_対象地区整備119地区(15地区増)▽時間降雨量約60_対象地区整備38カ所(2カ所増)―の目標を設定。雨水幹線・雨水ポンプ場・補助幹線の整備で時間雨量約74_に対応させる横浜駅周辺の浸水対策(20〜30年度、工事費400億円)や、時間雨量約60_対応の飯島雨水調整池(19〜24年度、面整備含め工事費30億5000万円)などの個別事業を明示した。
水環境の目標は▽東京湾流域の水再生センター46系列への高度処理導入率67%(プラス13ポイント)▽リン除去対策設備設置率96%(プラス18ポイント)▽雨水吐きの堰嵩上げ等94%(プラス11ポイント)▽雨水吐きへのスクリーン設置率94%(プラス60ポイント)―とし、西部水再生センターの第4期整備(18〜24年度、工事費42億円)で水処理施設を増設する。
提供:建通新聞社