北陸新幹線の開業効果がまた、金沢に新たな大型投資の動きを誘因か―。関西電力のグループ企業で分譲住宅やビル事業などを手掛ける関電不動産開発(大阪市)が金沢市広坂1丁目、都心の一等地「旧うつのみや柿木畠本店」跡地を取得したことが5日、明らかになった。今後の再開発プランがどのようになるのか、関心が高まりそうだ。
旧うつのみや柿木畠本店は、建屋がRC造地下1階、地上4階建て延べ3220・21平方メートル、敷地面積は782・03平方メートル。同店は2016年4月、香林坊東急スクエア(旧109)の地下1階全フロアーに移転オープンし、明治期以来、123年ぶりに香林坊に舞い戻った。売場面積は約1320平方メートルで、移転に併せ、自営のカフェ「金澤文豪カフェあんず」を併設している。
関電不動産開発は5月下旬、同店跡の土地と建物を取得した。取得した理由について同不動産開発では、「これまで関西圏を中心に事業を展開してきたが、現在、首都圏や地方中核都市への進出を行っており、北陸新幹線の開業で脚光を浴びている金沢進出の機会をうかがっていた」(広報担当)という。
今後の再開発計画に関しては「まず建物を解体することになるが、当社としてはこれまでマンションや商業施設、ホテルなどを手掛けてきたこともあり、何が最適かを考え、検証していきたい」(同)している。
旧うつのみや柿木畠本店跡地を巡っては、16年に米国以外では初となる「ロックの殿堂ジャパンミュージアム」が浮上した経緯もあるが、その後、空きビルの状態がずっと続き、動向が注目されていた。
関電不動産開発は総合不動産デベロッパーとして多様なアセットタイプの開発と運用を行っており、関西電力グループの総合力で金沢都心部における賑わい創出、活性化につながるプロジェクトを目指している。
今回の金沢進出を皮切りに、「北陸エリアで積極的に不動産事業を展開していきたい」(同)としている。