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建通新聞社四国
2018/06/05

【徳島】徳島県 水道ビジョン策定に向け検討開始

 徳島県は、県内における水道事業の広域連携などを視野に中長期展望に立った実効性ある水道事業の方針を定める「県水道ビジョン」を策定するため、検討委員会を立ち上げ、5月29日に初会合を開いた=写真。当日は人口減少に伴う収益悪化や施設の老朽化といった県の水道事業の現状と課題などを確認し、意見交換を行った。順調なら本年度末の策定を目指していく。
 会合では県が、交付期限を2029年度とする国の財政支援などを紹介。早い時期に同ビジョンを策定し広域化事業として着手できれば、基盤整備の面でより多くの補助(交付金)を受けることができるとした。
 水道事業者を代表した委員からは「規模の違う事業者同士の連携には無理があるのではないか」などと、広域化に難色を示す意見があった。県は「事業統合に限らず、広域連携の形態は多様。できるものからやっていきたい」とし、理解を求めた。
 県内上水道施設の耐震化は、16年度末現在の基幹管路耐震適合率が26・1%(全国平均は38・7%)となるなど、低い水準にあり、南海トラフ巨大地震直後には断水率が92%見込まれるなど、大規模自然災害への備えが求められている。
 また、老朽化対策も今後増加する一方、人口減少による料金収入減少の深刻化も予想され、水道事業者の経営基盤強化がますます重要な課題となりつつある。県はこうした実情を踏まえ、水道事業の広域連携の他、むこう10年の中長期展望に立った実効性あるビジョンを策定することにした。
 なお、広域連携については、水道事業者とで構成する「水道事業のあり方研究会(17年3月発足)」と意見等を共有しながら模索していく考え。

提供:建通新聞社