新潟県土木部都市局と長岡技術科学大学は4日、日本初の下水道資源・エネルギーを活用した植物栽培の実証実験に関する経過報告会を新潟市西区の新潟県西川浄化センターで開催した。
この日、国土交通省水管理・国土保全局下水道部や北陸地方整備局建政部をはじめ、実験の参画団体から多くの人が参加。冒頭、永田雅一都市局長があいさつに立ち、「循環型社会の構築に向けて資源エネルギーを最大限活用することが目的。この実験が新たな環境ビジネスとして広がることを願う」とし、東信彦学長は「老朽化する社会インフラの再構築を迎える中、この成果が多くの分野に発展することを期待している」と述べた。
報告会では、水管理・国土保全局下水道部の担当者が、全国における下水道利用推進に向けた取組みを紹介。引き続き、姫野修司准教授が実証実験の経過を報告し、エネルギー消費効率(COP)では冷熱生産時が3・4と空気熱源に比べて効率が高く、温熱生産時においては5・2と空気熱源の1・6倍の効率が得られたことなどが説明された。また、参加者は実際の栽培状況などを見学するとともに、施設内で栽培されたワサビやイチゴなどを試食し、同研究の可能性に期待を込めた。