日本工業経済新聞社(茨城)
2018/05/30
【茨城】常陸河川国道などが減災対策協議会/久慈川・那珂川流域で水位計など
国土交通省関東地方整備局や水戸気象台、県、14市町村が組織する「久慈川・那珂川流域における減災対策協議会」が30日に水戸市の常陸河川国道事務所で開かれ、構成機関の2018年度の取り組みなどを協議した。ハード対策では常陸河川国道が流下能力向上対策や堤防天端の保護などを実施。さらに危機管理型水位計を久慈川水系に19台、那珂川水系に53台の合計72台を18年度中に設置することを説明した。
あいさつで常陸河川国道の八尋裕所長は、近年の自然災害が激甚化していることなどに触れ「減災対策は着実に進めていかなければならない。有意義な協議となるよう、積極的なご意見を」と望んだ。
協議会では水防法に基づき概ね5年間の取り組みを策定しており、議事で各構成機関の進捗状況が紹介された。
ハード対策では常陸河川国道が、河川を安全に流す対策として優先的に実施する流下能力向上対策、浸透・パイピング対策を久慈川、那珂川で20年度を目標に実施。
避難行動や水防活動に資する基盤等の整備では、市町村がさらなる情報伝達手段の追加整備・検討、水防資機材等の配備、浸水時においても災害対応を継続するための施設の整備や自家発電装置等の耐震化を進めている。
さらに常陸河川国道が危機管理型水位計の設置計画について説明。同水位計は洪水対策に機能を絞り込んで設置できるためコストを抑えることができる。現在は配置計画案をまとめており、計画に基づいて18年度内に設置を行う。
一方ソフト対策では、想定最大規模の降雨による浸水想定区域を考慮したハザードマップの作成や周知等に取り組んでいる。そのうち広域避難計画の策定は構成市町村で取り組みに差があり、議論を進めて策定していく。そのほか、まるごとまちごとハザードマップの整備・拡充の検討、要配慮者利用施設の避難計画の作成および訓練の促進、避難勧告等の判断・伝達マニュアルの見直し、避難誘導員の安全対策や待避等を踏まえた避難誘導マニュアルの整備状況等が紹介された。
協議会構成機関の取り組み状況は常陸河川国道のホームページで公開する。