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建設経済新聞社
2018/05/29

【京都】第一市場の新水産棟整備工事 9月市会に工事契約案提出へ

 京都市は、京都市中央卸売市場第一市場(下京区朱雀分木町80他)で計画する新水産棟整備について、9月市会に工事請負契約議案を提出し、12月に工事着手する考え。
 工事は南側の一期工事、北側の二期工事に分け実施する。2021年度に新水産棟第一期工事を完了、2022年度に新水産棟第二期工事を完了させる。
 その後、2025年度に新青果棟第一期工事を完了、2028年度に新青果棟第二期工事を完了させる予定。
 市が5月25日に明らかにした新水産棟整備に係る実施設計によると、改修・増築後の規模はS造一部SRC造及びRC造3階建(塔屋2階建)、延約4万2284u(建築面積約2万9374u)。建物高さは20・8m。延3274u(建築面積1877u)の増築を行う計画。
 水産エリアは約2万0900u(▽卸売場約4800u▽仲卸売場1階約1万2600u及び3階約2400u▽活魚スペース約1100u)、綜合エリアは約1000u。新機能は約6460uで、内訳は、トラックバース(荷卸しのための停車スペース)が1階約4700u及び3階約800u、見学者用通路が2階約900u、ガイダンスルーム約60u。
 概算工事費は約170億円。
 実施設計受託者は安井建築設計事務所。
 主な特徴は@衛生管理の向上(最新の食品安全国際規格であるFSSC22000への対応)A物流の効率化B商いの活性化C市民との交流(食文化の普及と市場機能のPR)D環境への配慮E災害時の業務継続対策の6点。
 @では、新水産棟全体を閉鎖型の空間とし、エリア毎に最適な温度管理を実施する。売場内の衛生管理を徹底し、棟内への入場時に手や足、車両を洗浄するほか、作業完了後の卸売場や仲卸店舗内の床面等を殺菌水で洗浄する。商品を閉鎖型の棟内に直接搬入することで途切れることなく低温に保つコールドチェーンを確立する。荷卸し作業スペースは路面から約10p嵩上げし、衛生的に分離する。
 Aでは、卸売場、仲卸店舗の周辺に商品の入荷や出荷を行うトラックバース(荷物の積卸しのためにトラックを停めるスペース)を設置し、入荷動線と出荷動線を分離する。卸売場、仲卸店舗、トラックバースの周辺に大型量販店に対応するための荷捌きスペースを確保する。113台分のトラックバースを整備する。
 Bでは、買出人動線は中通路に動線を一本化することで店舗ごとに時間をかけた目利きが可能となり、水産仲卸店舗と綜合店舗を隣接させ円滑な動線を実現する。
 Cでは、1階のエントランスホールについて、内装材に木材を使用した温かみのある「おもてなしの空間」を演出。1階のガイダンスルームに来場者が市場の機能や京の食文化を学ぶことができるスペースを設ける。
 2階に約260mの見学者用通路を配置し、魅力的な展示物を置く。3階に木材を利用した屋根付きの開放感のあるプロムナード(回廊)を設置。新水産棟の南側にスターツコーポレーション梶i東京都中央区)が整備するホテルや飲食店・物販店などから成る賑わい施設と接続する。
 Dでは、屋上に太陽光発電パネルを設置し、3階にマイクロコージェネレーションシステムを導入。LED照明及びBEMS(エネルギー管理システム)を採用する。
 Eでは、建物の耐震性を強化し、構造耐震指標のIs値は0・75以上を確保する。非常用発電機の導入、井水の活用(南スロープ地下に井水処理設備の設置)を行う。