高知県競馬組合は、2018年度からの10年間で、42億円余りを投入し、高知競馬場の施設改善を計画している。1985年の開場以来、初めての大規模な改修となり、老朽化が進んでいるメインスタンドをはじめ、厩舎(きゅうしゃ)地区、馬場、外構、設備機器を優先順位に基づき、3期に分け施工を進める考えだ。
メインスタンドでは、全体的に老朽化が進み、30年前の設計仕様であるため、快適性や利便性を重視したリフォームを行う。主な改修内容は、空調完備のファンエリア屋内化、投票窓口の集約化、フードコートや映像情報モニターの整備、馬場側のベンチやシートの更新など。18〜20年度の第1期で1、2階、21〜24年度の第2期で4階、25〜27年度の第3期で3階の改修を進める。客席の更新は第1期で施工する考え。
厩舎地区では、厩舎の改修、調整ルームを併設した検量棟の建て替え、厩務(きゅうむ)員宿舎の新築などを計画している。厩舎は木造で老朽化による傷みが進行しており、馬房の陥没がみられる箇所もあることから、1〜3期を通じて順次改修する。厩舎は1棟当たり最大20馬房、地区全体で37棟ある。1階を検量室、2〜3階を調整ルームとする新たな施設は第2期で建て替える。現在の2人部屋は個室化し、女性騎手用の調整ルームも整備する。厩務員宿舎は現在、満室状態のため、宿舎新築を第3期で実施する予定。こうした整備を通じて、競走馬や厩舎関係者の調教、居住環境を改善する。
馬場は経年劣化が進行しているため、硬化層などの路盤全面改修を第2期に実施する。長期の本場開催中止を避けるため、5クールに分け施工を進める予定。本馬場は1周1100bのダートコース。
外構では、第1期で沿道エリアの舗装、フェンス、植栽などの整備と、エントランスエリアの遊具や屋外ステージなどの整備を進める。第3期では、パドック、ハナマエエリアなどの整備を順次進める予定。
設備機器や配管などは、1〜3期を通じ、順次更新を進める。照明器具のLED化や空調設備の熱源機は更新済みだが、他の機器は更新時期に入っている。
同組合では、こうした改修を通じ、観戦環境を向上させることで、家族連れや若者、女性の来場を促進する考えで、年間7万人程度の来場者を、10年後には10万人超えを目指す。
高知競馬場の概要は、敷地面積約34万6000平方b、総収容人数2万8168人、スタンド収容人数2万7527人(消防法による)。場所は高知市長浜宮田200。
提供:建通新聞社