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建通新聞社四国
2018/05/25

【徳島】徳島市の国府道の駅 基本計画を一部見直しへ

 徳島市の「地域振興施設・国府道の駅整備事業」の進め方を検討する外部有識者会議(委員長・山中英生徳島大学副理事)は22日、第3回会合を開き、前回に引き続き遠藤彰良市長に報告する今後の施設の進め方(目指すべき方向性)について議論=写真。最終的に現行の基本計画を一部見直し整備を進めるよう提案する考えを決めた。今後事務局で整理した進め方案を基に報告書をまとめ、市長へ報告する。
 当日の会合では、前回会合で事務局が示した整備案6案の中でも、特に中心的に議論した、案Bの整備時期を検討(確定してから用地買収)、案Cの規模を縮小し整備(基本設計から見直し)、案Dの機能を整理し整備(基本計画から見直し)−の3案について、現行計画での収支計画シミュレーションや先の市議会での議員意見なども踏まえ協議した。収支は現行赤字で、議員意見も事業の白紙化も含む厳しい内容だった。
 委員からは、「収益面で見るなら、産業振興ギャラリーの代替え機能の検討(その他施設だけでは弱い)と配置計画の見直しが必要」などといった意見があり、案Cと案Dの中間的な意見として、基本計画(機能)を少しだけ見直し、基本設計(配置計画)を修正し、実施設計に反映させる案を市長に提案することに決めた。
 この案では、整備期間に少なくとも7年程度要する他、新たに基本計画・基本設計の見直しに伴う経費が伴う可能性がある。山中委員長によると、報告書には事業規模の縮小については触れない考え。また、事業推進に当たっては今後PFI/PPP事業の導入も視野に、計画段階で施設を運営する民間事業者を決め、整備を進めることも検討するよう提案することにしている。事業の在り方については今後、有識者会議の報告書を踏まえ、庁内プロジェクトチームで協議するなどし市長が最終的に判断、市議会に報告の上、市民に公表することになる。
 同事業は、市内中心部への中継点として、国府町延命地区の徳島南環状線沿いの敷地面積1万5800平方bに道の駅を整備し、観光客の誘致拡大や地域経済の活性化を図るもの。計画では、国土交通省がトイレ棟(道路利用者向け24時間対応)などを整備する他、市が観光情報等発信施設、地場食材を使用した飲食施設および軽飲食施設、農産物直売所、産業振興ギャラリー、避難施設・防災倉庫を整備する。
 同事業の基本計画策定は14年度。16年度には事業を見直し、当初見込んでいた事業費約26億円から約19・3億円に縮小した他、17年度には「母体となる徳島南環状道路の開通の見通しが立たず、十分な交通量の確保が困難なことから、採算の見通しが立たない」「負担する指定管理料が市の財政を圧迫する懸念」から再検証を行っており、建物実施設計と造成設計、用地取得を中断させている。
 1万1000平方bの造成設計は松本コンサルタント(徳島市)、総延べ2953平方b(本館棟が1933平方b、レストラン棟が630平方b、外構付帯建物が390平方b)の建築設計は宮建築設計(徳島市)がそれぞれ担当していた。

提供:建通新聞社