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滋賀産業新聞
2018/05/25

【滋賀】県東近江土木の2広域河川改修

 滋賀県東近江土木事務所は、去る18日に開催された沿川2市(東近江市・近江八幡市)らとともに組織する蛇砂川改修促進協議会の18年度(平成30年度)総会で、県事業で進める「長命寺川(蛇砂川)広域河川改修事業」と「八日市新川広域河川改修事業」の実施状況並びに18年度に予定する事業の概要を説明した。長命寺川は50年確率、八日市新川は10年確率の暫定整備を現在進めるものの、まだまだ未整備区間が多く残る状況に、いずれも早期の事業効果発現に向け、19年度の出水期までに『暫々定』での通水ができるよう河道掘削等の工事発注を計画している。
 長命寺川広域河川改修事業では、昨年度の下部工に引き続き市道橋(3号橋、近江八幡市西生来町)の上部工(PC橋、橋長36・3b)を発注するほか、捷水路(河道湾曲部をショートカットする人工水路)区間(L1・9q)の早期暫々定通水のための既設道路横断部仮水路道路(横断管渠工6ヵ所、近江八幡市安土町内野他)の設置工事などを予定。いずれも単年度で工事が完了しないためとして債務負担行為を設定、橋梁上部工には1億8000万円(18〜19年度)、道路横断管渠工などには3億3000万円(同)の予算を確保、19年度の出水期までの完了を目指す。
 また、八日市新川広域河川改修事業では、暫々定通水が完了している愛知川合流部から国道421号より上流L約1・5q(現川取付まで)の暫々定通水に向け、18〜19年度の2ヵ年を掛け、河道掘削工事・既設農水管伏越工事・横断道路部暗渠設置工事・既設分水工改築工事等の実施を計画。発注見通しに3件の工事を盛り込み、事業費は債務負担行為を設定、単独3億円、補助4億円の合計7億円を確保し、19年度の出水期までの完了を目指す。
 蛇砂川(長命寺川)は、鈴鹿山系の麓を源とし、東近江市(永源寺地区、八日市地区)と近江八幡市を通り、いったん西の湖に流入した後、琵琶湖に注ぐ流路延長約20qの一級河川。
 上流・中流部では天井川になっており、下流部にいくほど流下能力が小さくなっているため、洪水時に破堤や溢水、内水による浸水被害等、幾多の大災害を引き起こし、梅雨や台風等の大雨のたびに沿川住民の生活を脅かしてきた。
 このため、国の認可を受け74年度(昭和49年度)から整備に着手。下流からの改修だけでは長期の年月がかかることから、旧2市2町が洪水処理対策を分担し、旧近江八幡市では下流からの改修、旧安土町では山本川、旧八日市市では八日市新川、旧永源寺町では和南川放水路という形で改修を進め、山本川と和南川放水路については既に事業を完了している。
 現在は、大きく分けて琵琶湖から西の湖までの長命寺川、西の湖から上流の蛇砂川、愛知川合流部から現川(東近江市尻無町)までの八日市新川―で整備を進めている。
 東近江市市辺町地先から琵琶湖に至るまでの長命寺川広域河川改修事業(L約14q)は、下流から整備がすすめられ、11年度に懸案だった近江八幡市西生来地先でのボトルネック状態だった東海道新幹線・国道八号交差部の改修工事が完了。12年度からは同地上流部で橋梁を架け替えながら現川拡幅・河道掘削を進め、捷水路区間(L1・9q)の用地取得が15年度に完了したことから、暫々定通水が検討された。
 八日市新川は、市街地を貫流する蛇砂川の水の一部を愛知川へ流すため、東近江市尻無町地先から同市川合寺町地先までの放水路約3・9qを開削する事業。当面の目標とした国道421号から愛知川までのL約2・5qの暫々定通水を15年度末に完了、事業の進捗を図るとともに、残りL約1・5qの暫々定通水が検討された。

掲載:滋賀産業新聞