横浜市交通局は高速鉄道3号線の延伸で、路線計画などに関わる2018年度の検討を始める。17年度の検討成果を基にモデルルートを設定して最適なトンネル工法を選ぶ他、支障物件部の概略施工方法や小田急線・新百合ケ丘駅との接続形態、駅レイアウトなども練って概算事業費を算出する。これに伴う基礎調査業務の委託先を公募型指名競争入札で選ぶこととし、建設コンサルタント等と土木設計の競争参加有資格者(市内、準市内)から5月28日まで参加意向申出書を受け付けて、6月6日に入・開札する。
高速鉄道3号線の延伸は、市営地下鉄ブルーラインを終点のあざみ野駅(横浜市青葉区)から小田急線新百合ケ丘駅(川崎市麻生区)まで伸ばす格好。市交通局が17〜18年度に鉄道事業者の視点で検討を進めて「18年度末までに事業化を判断」(林文子市長)するための材料を整える。
17年度は復建エンジニヤリング(横浜事務所、横浜市磯子区)への業務委託を通じ、約6・5`の路線延長で4駅(中間3駅、新たな終点1駅)を新設する想定の下、ルートやトンネル工法、追い越し施設と引き上げ線の設置などを検討していた。
その成果を基に、18年度はまず想定する三つのルートで平面・縦断線形を検討。その上でモデルルートを一つ設定し、駅間トンネル(延長約1・2`超)ごとに最適なトンネル工法を選んで最小曲線半径部、直線部、中間部の断面を考える。トンネル発進作業基地の位置や設備配置案、変電所の位置・規模、中間換気設備の必要性、標準的な軌道構造なども検討していく。
支障物件部の概略施工方法の検討では▽あざみ野駅後方の既存トンネル撤去方法▽高圧送電線下と鉄塔近接箇所の開削工法▽鉄塔下を通過するトンネルの施工方法▽河川下などにおける箱型トンネルの非開削工法▽開削工事における既存擁壁(逆T型、高さ約7b)の撤去・補強方法▽新百合ケ丘駅前広場内の施工手順―を対象に挙げた。
新百合ケ丘駅との接続形態は「地上」と「地下」の2案を検討する。駅レイアウトについては駅や出入り口の内空寸法、昇降設備の配置などを整理して図面を作る。
環境影響評価と都市計画の手続きを見据えた資料案の作成、中間3駅の駅前広場整備に関する検討(バス・タクシー・自家用車の乗降所、駐輪場、歩行者通路などの設置と必要面積算出)も行う。
19年3月15日までに業務成果品を納めてもらう。
提供:建通新聞社