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建通新聞社(東京)
2018/05/24

【東京】都 延焼遮断帯の見直しを検討

 東京都都市整備局は、防災都市づくり推進計画に基づき23区と多摩地域の7市に設定している延焼遮断帯の見直しを検討する。都市計画道路を中心に河川や鉄道、公園といった都市施設と、これらと近接する耐火建築物の整備を区市と連携して重点的に進めているが、関係者の協力が得られず不燃化に向けた取り組みが困難な地域もある。そこで現況を把握した上で課題を整理し、延焼遮断帯の廃止や他路線への付け替えなど対応策を検討し、改めて延焼遮断帯の方針をまとめる。
 延焼遮断帯は、地震発生時の市街地の火災延焼を防ぐ道路や河川、鉄道、公園などの都市施設と、それらと近接する耐火建築物で構成する帯状の不燃空間を指す。木造住宅密集地域が連なる地域を中心に、23区と多摩地域の7市(武蔵野市、三鷹市、府中市、調布市、小金井市、西東京市、狛江市)に設定。都市計画道路を軸として、河川や鉄道などにより防災生活圏ができるだけ一定の大きさになるようにメッシュ状に配置している。
 防災上の重要度に応じて、主要な幹線道路(広域幹線道路と広幅員の骨格幹線道路)と幅の広い河川(江戸川、荒川、隅田川、多摩川)を「骨格防災軸」、幹線道路(骨格防災軸間を二分する骨格幹線道路)を「主要延焼遮断帯」、それ以外の道路や河川、鉄道など防災生活圏を構成する「一般延焼遮断帯」に区分。都市計画道路などの整備を進めるとともに、不燃化推進事業や防火地域などの規制・誘導策による沿道の不燃化といった施策を区市と連携して展開している。
 しかし、住民の理解と協力が得られず、事業が進展していない地域もあることから、延焼遮断帯の形成状況を踏まえながら、今後の事業実施に向けた課題を整理し、廃止や他路線への付け替えを含めた見直し、課題解決に向けた検討を行う。
 併せて延焼遮断帯の形成判定の際に算定する不燃化率について、沿道の空地を評価し、地域の実態を考慮した補正を行うなど新たな形成基準を検討する。延焼遮断帯を現在設定していない場所については、市街地の状況を確認して設定の必要性を判断する。
 これらの検討結果を基に、延焼遮断帯の見直し案をまとめるとともに、現在の整備目標年次や目標値を見直し新たな整備目標を設定する。

提供:建通新聞社