国土交通省、東京都、首都高速道路会社などで構成する「首都高日本橋地下化検討会」の第2回会合が5月22日開かれ、地下化の対象延長を約1・2`とするルート案が決まった。このうち鎌倉橋からJR線にかけての区間は既存の八重洲線トンネルを活用。新規に地下空間を整備する区間は、JR線との交差部から江戸橋ジャンクション(JCT)付近までとした。ルート案に基づいた概算事業費を算出し、今夏に開く予定の次回検討会で事業スキームを詰める。
首都高の日本橋周辺区間の再整備については、首都高速道路会社が竹橋ジャンクション(JCT)から江戸橋JCTまでの延長約2・9`を対象に大規模更新整備を計画。周辺で都市再開発が本格化してきていることもあり、これらの再開発事業と合わせて日本橋川上にある高架道路を地下化し、景観の改善につなげる考えを示していた。
ただ、延長2・9`のうち、大手町付近では連鎖型都市再生プロジェクトが既に進行しており、新たに地下に高速道路を整備することは困難と判断。神田橋JCT付近から江戸橋JCT東側にかけての延長約1・8`を地下化の検討対象と位置付けていた。
前回の検討会ではルート案の作成に先立ち、日本橋川への影響や、地下鉄・下水道・電力・通信・水道・ガスなどの干渉、再開発事業への影響などを検討課題として抽出。今回の検討会開催までに、都やインフラ事業者、開発事業者などがそれぞれ地下化の影響の調査や対策について検討を進めてきた。
特にJR線と交差する箇所では、別線を新規に導入するスペースがないことから、既設の八重洲線を活用することが効果的だと判断した。
また、日本橋川の下を通過する地点には、橋脚の基礎部がベタ基礎となっている日本橋の付近を選んだ。
今回のルート案に基づき、新規に整備が必要な区間の延長などを精査。今夏に開く次回会合では概算事業費とその負担の分担などを話し合う。合わせて、八重洲線の機能強化や、大型車交通ネットワーク機能の確保なども検討する。
提供:建通新聞社