名古屋市住宅都市局は、新路面公共交通システムの事業内容の検討に着手する。「名古屋駅〜栄地区」と「名古屋駅〜名城地区〜栄地区〜大須地区〜名古屋駅」の2ルートについて、走行空間や停留施設、車両の検討をするとともに、名古屋城木造天守閣復元やリニア中央新幹線開業による影響を加味した需要予測モデルをまとめ、事業採算を検討する。また、段階的に整備した場合の検討も行い、2018年度末までに市民に示せる資料としてまとめる考えだ。
新路面交通システムは、LRT(次世代路面電車)やBRT(バス高速輸送システム)の特性を併せ持つ、タイヤベースのシステム導入を検討していく。2ルートの路線延長は15`程度。停留施設の間隔は500b程度を基本とし、設置箇所を検討する。
運航内容や車両システムを検討した上で、車庫や営業所、整備場、燃料供給施設などを備えたバックヤード機能施設の必要規模を把握し、配置図としてまとめる。
18年度の検討業務を委託するため、一般競争の手続きを開始しており、5月30〜31日に入札書を受け付ける。開札日は6月1日。履行期間は19年3月22日まで。
17年3月にまとめた「新たな路面公共交通システムの導入に係る基本的な考え方」によると、新交通システムの狙いは、名古屋駅周辺に人が集中している中で「まちをめぐる」ための新たな仕掛けをつくることにある。
整備に当たっては、早期に実現でき、新システムの利点を実感できることから、段階的整備を進める方針。第1期は、木造天守閣復元や金シャチ横丁などのプロジェクトとの連携が期待できる、名古屋駅〜名城地区を先行的に検討する。26年開催予定のアジア競技大会やリニア中央新幹線の開業を見据え、第2期で名古屋駅、栄地区、大須地区、名城地区の全てを結んだネットワークの実現を目指している。
提供:建通新聞社