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北陸工業新聞社
2018/05/19

【福井】福井大震災発生70年から考える/福井県下水道管路管理業協会恒例の技術研修会開く/名称を維持から管理へ 

 公益社団法人福井県下水道管路管理業協会(酒井典康会長)が主催する恒例の技術研修会は16日開催され、県や福井市など下水道関係部署の職員ら多数が聴講し、下水道管路を適正に管理し安心できる水資源を保全する重要性を再確認した。
 研修会は県土木部河川課、および同協会が特別会員として参画する県下水道協会が後援。会場は福井市中央1丁目のユアーズホテルフクイで。
 冒頭酒井会長が挨拶し、協会名をことしから管路維持から管路管理に変更した今日的な意義を紹介して「下水道の管理面がより重視される時代を受け、流れに先手を打つ格好で機敏な対応を」と、この技術研修会の重要性を示した。福井大震災(48年発生)から70年が経ち決して風化させることなく検証し続け、将来に備えることが大切で、また国の新下水道ビジョン加速戦略も押さえる必要性を強調した。講師には福井工業高等専門学校の吉田雅穂教授と国土交通省の辻幸志下水道係長を講師に招いた。
 研修会後は17年度の定時社員総会が行われ、17年度事業報告と財産目録や正味財産増減計算書などを審議し了承した。

 福井工業高等専門学校の吉田雅穂教授(工学博士)が福井地震から70年「過去の地震被害から将来の被害を想像する」を講演。

 48年発生の福井地震M7.1は死者・行方不明者が3769人(16年発生の熊本地震はM6.5とM7.4で267人)で、焦土と化した福井市内を福井城址などの写真を多数用いて振り返った。下水道計画は戦前から重要課題として取り組まれ、新たに合流式で整備を進め、全国の先駆けとして福井市は1960年代には下水道整備率日本一を誇ることとなった。

 近畿地方整備局建政部都市整備課の辻幸志下水道係長(工学博士)が新ビジョンを背景から現状、取り組みの方向性など講演。

 新下水道ビジョン加速戦略策定の意義は、下水道職員の不足や技術力不足、一方では下水道施設の更新需要が増加しストック増による維持管理費の増大と使用料収入の減少(経費回収率低下)を指摘。加速戦略では官民連携、活用による付加価値向上、汚水システムの最適化、マネジメントサイクルの確立、水インフラ輸出、防災・減災など重点項目8つを挙げた。

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