神奈川県は、相模川、酒匂川流域の下水道全体計画をそれぞれ見直すことになった。今後、県土整備局が処理人口や汚水量の他、水処理施設・管渠などの規模をまとめる作業に入る。2018年度は流域関連市町の状況調査などを内容とする調査検討業務を委託し、基本的データの整理に努める。整備方針や、各施設の処理能力、管渠延長などで構成する新たな全体計画は20年度に策定する方針だ。
全体計画は、おおむね20年後の事業目標を設定するもので、長期的な人口見通しを踏まえた下水道整備手法の在り方などが示されている。その全体計画に盛られた施設のうち、5〜7年間で実施する予定の配置などを定めたものが事業計画となる。現行の全体計画は、11年6月に策定されたもので、30年度を目標年次としている。
計画の見直しに向けて県土整備局は、各市町が縮小、または追加した計画区域などを踏まえ、データ整理をはじめとする調査・検討を進めていく。18年度は相模川、酒匂川のそれぞれの流域について、▽計画準備▽基礎調査(既存計画資料の収集整理)▽流域関連市町などの調査▽下水道整備の基本方針の確認▽基本事項(計画汚水量、計画汚濁負荷量)の検討―などを内容とする業務を委託。この他、見直し後の計画における目標年次も検討する考え。
現在進める、見積もり公募手続きなどを経て、これらの業務委託に関する入札を公告することになる。
18年度業務の検討成果を基に、19年度は水処理施設、汚泥処理施設、管渠、ポンプ施設の規模などを整理し、計画の見直しにつなげる方針だ。
現行計画(相模川流域)では、計画処理区域を約3万0600f、計画処理人口を約184万人、計画汚水量(日最大)を約93万3000立方b/日としている。一方、酒匂川流域は、計画処理区域約6700f、計画処理人口約28万人、計画汚水量約22万9000立方b/日が現行計画で定めた整備方針。
また、施設については、左右両岸の水処理施設と汚泥処理施設、相模川左岸幹線(相模川流域)、左岸幹線(酒匂川流域)などが定められている。このうち、寒川平塚幹線(相模川流域、延長1470b)、箱根小田原幹線(酒匂川流域、延長9150b)などが未整備、または整備途上の段階にある。
提供:建通新聞社